【リハに役立つ!!】足関節背屈可動域制限の原因とは?

【医療者向け】ストレッチ

臨床では足関節背屈可動域制限を伴っている方が多くいらっしゃいます。

足関節背屈可動域制限は歩行や階段昇降・跨ぎ動作・しゃがみ込み・前方リーチなど日常生活に必要な動作に影響を与えます。

また、足関節背屈可動域制限は前方で作業を行う際に下腿が前方に傾斜しないので、骨盤の前傾などで代償し、腰痛の原因にもなります。

ここでは足関節背屈可動域制限の原因を紹介していきます。

足関節背屈可動域制限の原因

下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)の伸張性低下

足関節底屈筋として最も大きな筋は下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)であり、足関節背屈可動域制限が生じてしまうことは周知の通りです。

下腿三頭筋は起立・着座・立位・歩行・階段などのあらゆる基本動作で活動し、廃用などにより筋力低下が生じると筋緊張が亢進しやすく可動域制限の原因となります。詳細は下記記事を参考にしてください。

下腿三頭筋の停止部はアキレス腱として踵骨後面に付着します。

そのため、足関節背屈方向へ関節を動かすのではなく、踵骨を把持し左上図のように踵骨を足関節を軸にして回すように動かすと効率的です。

様々な勉強会・書籍で言われているので参考になるかと思います。

また、腓腹筋・ヒラメ筋をそれぞれ個別でストレッチを行いたい場合は、膝関節のアライメントを変化させて行うと効率的です。

膝関節伸展位:腓腹筋を対象
膝関節屈曲位:ヒラメ筋を対象

長母指屈筋

長母趾屈筋腱は足関節後方の中央を通ります。(上図)

足関節背屈は関節包内運動として距骨の【前方転がり・後方への滑り】が伴って生じます。

長母趾屈筋腱の伸張性が低下している場合、距骨の後方滑りが阻害されてしまい、足関節背屈を行う際に距骨が足関節前方組織に衝突し引っ掛かってしまい可動域制限が生じます。(上図)

足関節背屈可動域制限が生じている場合、長母趾屈筋腱が可動域制限因子となっていることがあるので評価してみる必要があります。

足関節周囲の関節包・靭帯

足関節の関節包・靭帯の評価も欠かすことは出来ません。

足関節をまたぐ筋ではなく、足関節周囲の軟部組織(関節包や靭帯など)の伸張性が低下していることで可動域制限が生じている場合、足関節背屈方向へのストレッチだけでは可動域改善が難しいかもしれません。

その為、足関節周辺の伸張性を改善させるには関節モビライゼーション(関節の離開・滑り)などを行う必要があります。

徒手療法で足関節の離開・滑り(背屈改善なら後方)を誘導するような関節モビライゼーションを行う必要があります。

 

脛腓関節開閉・腓骨の挙上困難

距骨滑車は前方が広く・後方が狭くなっている構造をしています。

足関節背屈を行う為には前方に広い距骨滑車が脛骨・腓骨の間に入り込む必要があるので、脛腓関節が左右に開き、腓骨は挙上します。

脛腓関節の開き・腓骨の挙上が困難になっている場合においても足関節背屈可動域制限となるため、評価することが大切です。

具体的に下腿を前方から見た時に腓骨を把持し後外側に押し込んだり、挙上する方向に動かしたりし左右差を比較します。

左右差が著明な場合や、今まで経験から動きが乏しい場合は腓骨の本来ある動きを生み出すことが足関節背屈可動域制限を改善する治療になるかもしれません。

まとめ

足関節背屈可動域制限となる原因についてお伝えしてきました。

足関節背屈可動域制限は下腿三頭筋が真っ先に思いつきますが、長母指屈筋や足関節周囲の軟部組織・脛腓関節(腓骨の動き)なども評価する必要があります。

また、足関節後方の筋・軟部組織だけでなく、前脛骨筋などの前方組織の伸張性低下が本来ある関節の動き(関節包内運動:転がり・滑り)を阻害することもあるのでここで紹介したこと以外にも評価し治療プログラムを立案し、【治療⇔評価】を繰り返し原因を探っていく必要があります。

 

ここまで読んで頂きありがとうございました。