【PTが伝える】大腿骨顆上骨折の見方とは【画像所見】

【医療者向け】画像

大腿骨顆上骨折は大腿遠位部の骨折であり、膝に近い部分の骨折ですので治療が進んでも、膝関節の動きに悪影響が及んだり、歩行などの日常生活に支障をきたす可能性がある骨折です。

大腿骨顆上骨折:受傷機転

大腿骨顆上骨折は大きく分けて2つの原因に分けられます。

大腿骨顆上骨折:交通事故・転落
交通事故や転落などの強い外力によって生じることが多く、若年者でも生じてしまいます
大腿骨顆上骨折:転倒
骨粗鬆症などを患っている高齢者の場合は、転倒などの小さな外力によっても骨折が生じます。

大腿骨顆上骨折:骨折の特徴

受傷機転に続いて骨折線についても大きく2つに分けられます。

骨折線が【膝関節に到達しているもの】と【膝関節に到達していないもの】です。

大腿骨顆上骨折で膝関節まで骨折線が到達していないものは高齢者などの転倒によって生じることが多いです。

膝関節まで骨折線が到達するものは交通事故や転落などの比較的若年者によって生じることが多いです。

骨折線が膝関節まで到達しているのかどうかは、治療方法、リハビリでは予後予測などの大切な指標ですので確認しておくことが大切です。

 

大腿骨顆上骨折:AO分類

大腿骨顆上骨折:治療方法

骨折部に転位を認めなければギプス固定や牽引などを行い保存療法を選択する場合もありますが、大腿骨は荷重に重要な骨である為、長期間の臥床期間が必要になります。

長時間の臥床などにより膝関節の動きが悪くなったり、歩行能力が落ちといった後遺症が残る可能性が高いです。

大腿骨顆上骨折は受傷時に転移していることが多く、保存療法では西遊的に後遺症が残りやすいため多くの場合は手術療法が行われます。

手術療法を選択することで比較的早期から荷重を加えることが可能になり、廃用症候群を予防することが出来ます。

手術療法は髄内釘プレート固定の2つに分けられます。

そのなかでもコンディーラープレートダイナミックコンプレッションスクリュー固定を用いることが主流になっています。

この固定によりアライメントを極力回復することをめざしています。

関節内で骨折が生じた場合は、将来の膝関節症を回避するために関節面の段差を1~2mm未満を目指して整復するようにします。

また、骨欠損が多いと自家骨や人工材料を使用することがあります。

髄内釘固定とプレート固定の特徴

髄内釘による手術とは、膝蓋骨の下の皮膚を切り開いて髄内釘を挿入し固定する方法です。

プレート固定は大腿の外側の皮膚を切り開いて骨折部を整復したあと、プレートとスクリューで固定する方法です。

髄内釘とプレート固定のどちらがよいということはありませんが、高齢者の小さい外力で生じた骨折や骨折線が膝関節まで及ばない骨折では髄内釘を選択することが多いです。

それに対して、高エネルギー外傷により生じる若年者の骨折や膝関節まで骨折線が及んでいる骨折プレート固定を選択することが多いです。

大腿骨顆上骨折:画像の見方

上図の大腿骨顆上骨折では、転移が非常に大きく、前方・短縮方向に転移がみられます。

その為、膝関節構成体となる関節包や膝蓋上嚢・大腿四頭筋・股関節内転筋・腸脛靭帯などの軟部組織の損傷が予測されます。

骨折部の転位から出血による癒着疼痛が生じることが予想され、術後の自動運動で下肢を動かすことが出来なくなり、離床時に介助も必要になります。

 

上図はプレート固定による術後画像は、骨片を引き寄せて整復固定を行ったものの、骨折部が稀薄隙間も見られるの免荷期間が長く荷重時期が遅くなることが予測されます。

また、荷重を行わなくても骨折部の固定力は弱いと想定し筋力強化運動やストレッチなどはそれぞれの筋の起始・停止部位から考えて負荷量を調整する必要があります。

どの程度に負荷量を調整するのかはDrと相談し統一しておくことが重要になります。

大腿骨顆上骨折:画像から考えられるリスク

骨折部の骨癒合の遷延治療偽関節のリスクがあることを常に頭に入れておきます。

また、荷重時痛の変化や骨の転位による短縮や膝内外反方向の変形を予測したうえで、脚長差アライメント評価を実施します。

また、疼痛は長期間続くことを想定し、疼痛の軽減が難しければ歩行補助具などの福祉用具の使用を検討します。

 

大腿骨顆上骨折:理学療法

手術療法を選択された場合、比較的早期から離床を行うことが出来ますが、早期に荷重を行う際は膝関節が伸展位であり、大腿骨長軸方向へと徐々に荷重を加えていきます。

急性期では術部の腫脹軽減皮膚の柔軟性改善に努め、拘縮のリスクを少しでも軽減します。

炎症反応の減弱や仮骨形成に伴い、可動域運動野筋力強化を行います。

骨折部の過度なメカニカルストレスを避ける為にも股関節の運動では急激に落下しないように膝下に手を添えたり、膝関節の運動では関節に近い部分に上部から弾性包帯などを用いて圧迫固定するなどの配慮が大切になってきます。

理学療法士はトラブルを最初に気づくことが出来る部門でもあるため、運動時痛・荷重時痛、運動・荷重時の異音、脚長差などを日々生じていないか把握するようにしましょう。

参考書籍

今回は下の書籍を参考大腿骨転子部骨折の画像の見方をお伝えしました。

下の書籍は運動器画像の見方とリハビリで意識する点などが詳しく書かれておりおススメの書籍です。

運動器の画像の見方が分からない新人理学療法士には特に一度読んで欲しい書籍です。

【送料無料】 リハビリに直結する!運動器画像の見かた / 河村廣幸 【本】

価格:5,280円
(2020/6/7 17:06時点)
感想(0件)

下の書籍は広く浅く運動器画像の見方について勉強したい方向けの本です。

同期や友人と共有の1冊として持っておいてもいいかもしれません。

【送料無料】 リハビリテーション医療に活かす画像のみかた 症例から学び障害を読み解く / 水間正澄 【本】

価格:4,400円
(2020/7/2 18:20時点)
感想(0件)