【リハに役立つ!】歩行立脚期における筋間の代償関係

【医療者向け】歩行
歩行において立脚期というものは非常に重要であり、正常歩行に近い立脚を上手く引き出すことで歩行速度の向上につながります。
歩行速度というものは実用性の中で唯一歩行能力と相関関係があると言われており、歩行速度を引き出すために立脚期に着目することは大切だと思います。
しかし個々の筋が歩行立脚期に必要な機能を有していないと跛行が生じ、歩行能力は低下します。
歩行時の筋活動は4つのシナジー(筋活動パターン)で構成されており、単純な単一筋の張力低下による他の筋の代償活動として考えることは出来ませんが知っておくと臨床において役に立つと思われます。
歩行における筋間の代償活動についてお伝えしていきます。
Komura T, et al:Evaluation of the influence of muscle deactivation on other muscles and joints during gait motion. J Biomech  37:523-530.2010
上記研究では歩行立脚期において単一の筋張力を低下させた場合に、その他の筋ではどの程度の代償が生じるのかを調べています。
股関節伸展筋である大殿筋の筋張力が低下するとハムストリングスや広筋群によって代償しています。
広筋群や膝関節伸展筋ですが、膝関節を伸展させる際に大腿を後方に加速させるため結果的に股関節伸展に関与します。
詳細は下記記事を参照して下さい。
中殿筋は主な股関節外転筋として作用し、中殿筋の筋張力低下の代償として小殿筋・大殿筋・大腿筋膜張筋といった他の外転筋が代償します。
ここで腸腰筋と腓腹筋の関係に注目したいと思います。
腸腰筋は股関節屈曲筋・腓腹筋は足関節底屈筋であり、遠く離れた位置にいます。
腸腰筋と腓腹筋が代償しあう関係についてお伝えしていきます。
腸腰筋と腓腹筋の主な筋活動のタイミングは、立脚中期~立脚終期です。
両者ともに立脚期では遠心性収縮により伸張+収縮で筋張力が高め、腸腰筋・腓腹筋が遊脚期に切り替わるタイミングで高まった筋張力が解放されることで下肢を前に振り出します。
・立脚中期~終期にかけて遠心性収縮で体幹・下肢の姿勢保持を図る
・遊脚期で筋張力を開放し下肢を前に振り出す
という2つの役割から腸腰筋と腓腹筋は代償し合う関係にあります。

ここまで読んで頂きありがとうございました。