【理学療法士が伝える】変形性股関節症の画像の見方とは!!

【医療者向け】画像

股関節の画像を見る前に、

・症状

・年齢

・既往歴:発育性股関節形成不全など

・服薬歴

・生活習慣、生活方法

などの情報収集を行うことが大切です。

上記の情報を事前に知っておくと画像を予測してみることが出来ます。

例えば、疼痛のために長期にわたり荷重負荷が軽減すると骨萎縮を起こします。

疼痛があり、荷重を避けた生活を送っていたことを事前に知っておくと画像を見る際に患側大腿骨の皮質骨と健側側の皮質骨の厚さを意識して見ることが出来ます。

X線画像

まず両側の股関節を評価します。

症例により【関節裂隙】・【骨構造の変化】・【臼蓋・骨頭の変化】の各項目の所見が異なることがあります。

その場合、まず【関節裂隙】の評価を重視することが基本です。

また撮影時に背臥位(非荷重)で撮影したのか立位(荷重)で撮影したのかによって関節裂隙の見え方は変わってきますので撮影方法は知っておくことが大切です。

項目 見るべきポイント 見るべき部位
アライメント・骨形態 骨盤前・後傾、頚体角・CE角・sharp角・骨棘形成・関節裂隙狭小化・左右対称性・脚長差 骨盤(寛骨・坐骨・恥骨)、寛骨臼、仙腸関節、腰椎、大腿骨頭、関節裂隙、大転子、小転子、骨盤腔、閉鎖孔
骨濃淡度 骨嚢胞・骨粗鬆症(骨梁・皮質骨)・溶骨性変化・骨硬化像 寛骨臼・大腿骨頭・大腿骨幹部・仙腸関節

 

変形性股関節症の見るべきポイント

上記の画像のように見るべきポイントは多々あります。

上記の見るべきポイントを踏まえて、見てどのように解釈するのか解説していきます。

実画像の見るべきポイント解説

骨嚢胞

本来あるべき関節付近の骨が従来より黒く映っている場合は、軟骨の損傷から骨が溶解している可能性があります。

骨嚢胞とは関節包の内部にある関節液(透明で粘り液のある液体)が、軟骨損傷部の損傷によって骨に侵入し、骨の溶解が起こり、穴が空いてしまっている状態です。

骨の溶解が起こり骨に穴が空いている状態なので、骨性の支持力低下を認めます。

その為、荷重時痛が生じたり、人工関節置換術後も骨性の支持力低下により従来より荷重が難しくなることが予想されます。

関節裂隙狭小化・大腿骨頭扁平化

健側側の股関節と比較し、大腿骨の形や関節裂隙の程度を評価します。

また、今まで変形性股関節症の画像診断の経験から評価し、症状を予測することも大切です。

関節裂隙狭小化・大腿骨頭扁平化により本来あるべき軟骨がすり減り荷重時痛が生じることが予想されます。

また、荷重時痛だけでなく荷重時痛を避ける為の筋の過剰収縮(筋膜性疼痛)脚長差によって生じるアライメント不良から筋活動のアンバランスが生じることが予測できます。

骨性の疼痛なのか、筋膜性の疼痛なのかしっかり問診をすることが大切です。

 

閉鎖孔の広さ・骨盤腔の見え方

画像から見える閉鎖孔の広さ・骨盤腔の見え方によって骨盤の前後傾を評価します。

閉鎖孔が広く見える、骨盤腔が楕円形に見える時は骨盤が後傾位であることを示します。

閉鎖高が狭く見える、骨盤腔が比較的円形に見える時は骨盤が前傾位であることを示します。

骨盤の前後傾のアライメント変化は、臥位や立位姿勢などの基本的な姿勢が股関節屈曲・伸展位なのか評価にちながり、筋活動の強さ・柔軟性どちらにアンバランスなのか評価することも出来ます。

また、骨盤の後傾は腰椎の後彎につながり、骨盤の前傾は腰椎の過剰前彎につながり腰痛症を引き起こします。

腰椎の側弯

大腿骨頭の扁平化などにより脚長差が生じている場合、腰椎の側弯が生じている可能性があります。

腰椎の側弯が生じると筋活動のアンバランスにより腰痛症が生じることがあります。

頸体角(頚体角)

頸体角の左右差は脚長差を生じさせます。

健側と比較し頸体角が大きいのか小さいのか評価しておくことが大切です。

●頸体角が大きいと外反股と呼ばれ下肢長が長くなります。また、膝関節の内反を生じさせます。

●頸体角が小さいと内反股と呼ばれ下肢長が短くなります。また、膝関節の外反を生じさせます。

また、頸体角が大きくなり外反股になることは大腿骨長が長くなり脚長差を生じさせますが、上記画像の大腿骨頭が外上方に偏位している場合は、棘果長の左右差を認めません。

外観の評価や形態測定では脚長差を評価出来ないこともあるので、必ずX線で脚長差を評価する必要があります。

大転子~小転子の長さ

大転子~小転子間の距離(縦方向)の左右差を見ることで脚長差を評価することが出来ます。

大腿骨頭の扁平化・変位、頸体角と同様に評価しておくことが脚長差の評価に大切です。

大腿骨の皮質骨の差

大腿骨の皮質骨の厚さを見比べることで、今までの生活で患側に荷重を乗せていたのか評価することが出来ます。

皮質骨の厚さは、生活方法や生活習慣、立位姿勢や歩き方の評価が行い易くなります。

参考書籍

今回は下図の本を参考にしました。

運動器として関わる変形性関節症や骨折、人工関節置換術後など様々画像の見方をイラスト付きで見やすく分かりやすいです。

筆者としても運動器の画像評価を勉強したい方に非常にオススメの本になってます。

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