【リハに役立つ】関節の機能解剖まとめ

【医療者向け】基礎

関節は骨格を結びつけ、動きを支えます。

関節は関節機能によって分類することが出来ます。

●関節機能分類

不動結合 頭蓋縫合線・骨性窩の関節・顔面骨格の歯など
半関節 脛腓関節・仙腸関節など
可動関節 肘・肩・足関節など

関節運動が出来る関節は滑膜関節と呼ばれ、靭帯・関節包が骨と骨をつなぎ、関節軟骨どうしがぶつからないように関節腔を形成しています。

関節腔内は滑液によって満たされ、関節運動の際に潤滑剤として役割を果たしています。

関節能構成要素

関節の構成要素を靭帯・関節包・関節軟骨の3つに分けてお伝えしていきます。

靭帯

靭帯は骨同士を連結し関節の安定性を高め、関節の運動方向を制御する役割に担っています。

靭帯は結合組織によって構成されていますが、総重量の約65%は水分、約25%はコラーゲン、その他としてエラスチンやプロテオグリカンがわずかながら含まれているといわれています。

水分を除くと全体の約80%がコラーゲンであり、そのほとんどはタイプⅠコラーゲンとなっています。

タイプⅠコラーゲンは硬度が要求される組織で含有量が高くなっており伸張性に乏しいのが特徴です。

実際の靭帯の組織像をみると密なコラーゲン線維で構成されており、コラーゲン線維の配列は多くは組織の長軸方向と並列に配列しており、靭帯は強力な張力に対して強く抵抗することが出来ます。

靭帯を構成するコラーゲン線維はところどころにうねりが確認されており、靭帯を長軸方向に伸張すると、このうねりが引き延ばされコラーゲン線維が直線状になります。

このうねりが直線状になる際の靭帯は約3~4%長さが伸び、断裂する直前まで靭帯を伸張しても長さは約10~20%程度しか伸びません。

靭帯を伸張しても各部位でコラーゲン線維の配列や密度が異なるため、靭帯の伸び具合は均等ではなくばらつきが生じます。

靭帯は栄養や酸素供給する血管が非常に少ないので、靭帯が損傷・断裂すると自然治癒は基本的には期待できず、縫合術などの外科的処置が必要になります。

 

関節包

関節周囲は骨膜~延長した関節包によって取り囲まれ、その内部は関節腔で構成されます。

関節包は結合組織で構成され、内層と外層ではコラーゲン線維の構成が異なり、内層を滑膜外層を線維膜と呼ばれ区別されています。

 

滑膜

滑膜は関節によって厚さが異なり、コラーゲン線維の構成か疎性結合組織伸張性を有しています。

関節の滑膜に共通している特徴として、関節腔に向かう面に関節腔内へ飛び出す滑膜ヒダが存在し、その表面からは小さな多数の滑膜絨毛が突出していることが挙げられます。

滑膜ヒダは対向する関節面の適合しない部分を補い、関節腔の死腔を埋めており、大きな滑膜ヒダには脂肪細胞が含まれています。

滑膜表層は単層または2~3層の滑膜内膜(滑膜細胞ならびに細胞外基質から構成)から構成されています。

滑膜細胞はA細胞B細胞に大別されます。

A細胞は滑液中に生じた老廃物や代謝産物などを貪食・消化します(マクロファージと似ている)

B細胞は滑液やヒアルロン酸やコラーゲン線維などの合成と分泌に作用します(線維芽細胞に似ている)

また、炎症性サイトカインやMMPs(matrix metalloproteinases)なども分泌され、関節炎の発症と関連があります。

細胞外基質にはヒアルロン酸・糖タンパク質・コラーゲン線維などが含まれており、コラーゲン線維が少なく線維束をつくることは稀となっています。

次に滑膜下層(滑膜表層の外側)は表層の滑膜細胞層を裏打ちするようにコラーゲン線維が多く毛細血管にも富んでいます

関節炎の発症により関節水腫が生じるのは、滑膜下層にある毛細血管の透過性が亢進し、血漿成分が関節腔内に貯留しているためです。

線維膜

線維膜はコラーゲン線維が密な構成となり配列は組織の長軸方向に対して平行となっています。

そのため、線維膜の伸張性は非常に乏しく、関節の安定性に大きな役割を担っています。

関節包は関節運動の方向を制御し、関節の安定性を高める役割があると言われていますが関節包の中でも線維膜がこの大きな役割を担っていることを指しています。

 

関節軟骨

関節軟骨は荷重緩衝の役割や関節運動時の骨と骨の摩擦を軽減させ関節の円滑な動きを見る役割があります。

関節軟骨は100㎏以上の荷重が加わり圧縮変形した状態となっても、関節軟骨どうしは直接接触せず、潤滑状態を維持することが出来ます。

 

●正常な関節軟骨

正常な関節軟骨は表面が白色平滑光沢弾性を有しており、その厚さは1㎜~5㎜(最も厚い部位:膝蓋軟骨)です。

関節軟骨は細胞(軟骨細胞)と細胞外基質(関節軟骨の場合はしばしば軟骨基質と呼ばれる)で構成されています。

軟骨基質の構成の違いによってそれぞれ、線維軟骨弾性軟骨硝子軟骨に分けられます。

硝子軟骨は血管リンパ管神経を有しません。

関節軟骨への栄養供給は滑液よりなされ、関節運動が行われることによりポンプ作用が働き、滑液が軟骨基質内に浸透し、同時に古い滑液が排出されます。

関節軟骨は適度な関節運動によって栄養状態が保たれ、構造と機能を維持しています。

 

軟骨細胞

軟骨細胞は軟骨基質中に散在しており、関節軟骨の構成成分全体の2~5%程度となっています。

軟骨細胞の形態は存在部位で異なり、関節面に近い表層の軟骨細胞は小型・扁平中間層は楕円または球状となっており、また中間層の軟骨細胞ではプロテオグリカンの活発的な形態となっています。

深層の軟骨細胞は中間層と同様の形態をなしていますが、細胞自体に変性の徴候が認められます。

軟骨細胞の密度は表層が一番高く深層にいくにつれて低くなっていきます。

軟骨基質

関節軟骨の荷重緩衝機能は軟骨基質の特性によってもたらされています。

通常、成人の関節軟骨の約70%は水分であり、軟骨基質の成分として最大となっています。

水分含有量は表層で最も多く、中間層・深層に移行するにつれて少なくなり、これは軟骨細胞の分布密度と一致していると言われています。

軟骨基質を構成するコラーゲン線維のうち、80%以上はタイプⅡコラーゲンで、そのほかにタイプⅤ・Ⅵ・Ⅸ・Ⅹ・Ⅺコラーゲンが存在します。

軟骨基質におけるコラーゲン線維の大きさとその配列は関節軟骨の各層で異なります。

表層のコラーゲン線維は非常に細く、配列は関節軟骨表面に平行であるため引っ張りた特性が高く、関節面に対する圧縮に伴った負荷に対応できるようになっています。

中間層のコラーゲン線維の配列は不規則であり、線維束はつくらず、さまざまな方向に配列した網目状の形態となっています。

深層ではより一層コラーゲン線維は中間層に比べると大きくなっています。

コラーゲン線維は直下の石灰下層に埋入し、粘弾性のある軟骨を石灰下層に結合させています。

石灰下層ではコラーゲン線維は関節表面に対して垂直な配列をとり、骨・軟骨移行部において骨基質のコラーゲン線維に連続します。

コラーゲン線維は部位によってさまざまな構築をしており関節軟骨に負荷される圧縮・剪断力などの生体学的ストレスに対して柔軟に対応できるようになっています。

感覚受容器としての役割

関節の構成要素の中で、靭帯・関節包・骨膜・骨・関節脂肪体・血管壁などには多くの感覚受容器があります。

関節の感覚受容器の中でも主な受容器は、ルフィニ小体パチニ小体ゴルジ腱器官自由神経終末です。

自由神経終末を除く3つの感覚受容器は固有感覚受容器に属し、関節の運動覚位置覚を感知しています。

前十字靭帯損傷者では膝関節の運動覚・位置覚が健常者より低下し、靭帯損傷に伴う固有感覚受容器の損傷やその伝導経路の損傷が原因です。

前十字靭帯損傷後に靭帯再建術を行った場合と行わなった場合では、行った方が位置覚は優れていますが正常よりは劣ります。

関節に分布する自由神経終末のほとんどは侵害受容器といわれ、膝関節を構成する感覚神経の75~90%はAδ線維又はC線維であると考えられています。

つまりほとんどが痛みに関わるものがほとんどであるということです。

関節の侵害受容器は以下の3つに分類できます。

Ⅰ.侵害的な圧刺激や過度な関節運動に反応する高閾値機械受容器

Ⅱ.強いある刺激のみに反応・関節運動には反応しない受容器

Ⅲ.正常な関節状態ではどのような機械的刺激にも反応しない受容器(非活動性侵害受容器)

 

正常な関節ではⅠの高閾値機械受容器のみが反応しますが、関節に炎症が生じている場合はⅠ~Ⅲ全ての侵害受容器が反応すると考えられています。

 

ここまで読んで頂きありがとうございました。