【理学療法士が伝える】変形性膝関節症の画像の見方とは…

【医療者向け】画像

変形性膝関節症は、関節軟骨の変性のほか、内反膝などの下肢アライメントの変化、大腿四頭筋を中心とする下肢の筋委縮と筋力低下、関節同様の変化を認めます。

X線画像では、骨棘形成・関節裂隙の狭小化・軟骨下骨の硬化などの所見を認めます。

リハビリテーションなどでは画像所見から変形の程度を確認し、膝への負担を考慮しながら治療を進めていく必要があります。

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X線画像の見方

一般的にX線画像から変形の程度を確認します。

必要に応じてMRIにて軟骨や靭帯・半月板、膝関節内構成体の状態の評価を行います。

X線画像の撮影方法として、正面像側面像膝蓋骨軸射像(スカイライン像)があります。

基本的には左右を比較し、3方向の画像から得られた情報と理学療法評価に加えて、臨床推論へとつなげていきます。

正面像

FTA:大腿骨長軸と脛骨軸から生じる角度であり、正常なら約175°
Mikulicz線:大腿骨頭中心と足関節中心を結ぶ線であり、正常なら膝関節の中心を通る

脛骨では解剖軸と機能軸が一致しますが、大腿骨では解剖軸と機能軸には6°の傾きがあります。

TKA手術で骨切りを行う際にはこの角度が参考にされています。

まず、画像撮影が立位なのか臥位なのか知っておきます。

立位(荷重下)と臥位(非荷重下)では画像の見え方、特に関節裂隙の捉え方が異なってきます。

●膝関節において関節裂隙の狭小化は軟骨の菲薄化に加えて、半月板の変性も生じさせてしまいます。

本来の半月板の機能低下により、関節の適合性が低下することで、荷重圧を全体へ分散することが難しくなります。

その為、衝撃吸収機能が低下していると考えておきます。

●骨棘が見えるということは、関節の不安定さ骨棘部位の過負荷などを示しています。

骨棘が見える際は、関節の安定性や立位や歩行などの姿勢観察を行い、どこに荷重や負担がかかっているのか考察する必要があります。

●骨硬化が生じている部位は過荷重になっています。

また、立位・歩行などの姿勢や荷重時痛の予測をすることが出来ます。

膝蓋骨の変位が生じている場合は、膝蓋骨の正常な動きが阻害されている可能性があります。

膝蓋骨の変位が生じている場合は、患者を背臥位にし膝関節伸展位の状態で、膝蓋跳動グライドさせてみて膝蓋骨の動きを確認します。

臨床的に変形性膝関節症は膝全面に疼痛を認めることが多いため、膝蓋大腿関節の問題周囲の軟部組織性に問題があるのか鑑別する必要があります。

●全体的な視点として、大腿骨・脛骨が内側・外側どちらに変位しているのか確認することが大切です!!

(変形性膝関節症:内反型or外反型)

内側・外側どちらに荷重が優位にのりやすいのか、立位時の膝関節のアライメント、歩行時の膝関節の動きを予測することが出来ます。

内反型変形性膝関節症は、内側優位に荷重が加わります荷重時痛が生じやすくなります。

また薄筋を中心とする内転筋の過活動や伸張痛が生じやすくなります。

疼痛を認める場合は、画像所見に加えて疼痛を認める箇所が関節裂隙なのか筋走行部位や鵞足部(停止部)なのか、他動運動・収縮時に認めるのか、疼痛の感じ方(荷重時のズキズキ感or突っ張る痛み)を確認し疼痛の原因を探り運動療法で治療可能なのか把握することが大切です。

側面像

側面像では膝蓋骨の上下に骨棘形成骨嚢胞を認めることがあります。

膝蓋骨の骨棘は関節可動域制限関節運動時痛が生じている可能性を示唆します。

また、大腿脛骨関節における裂隙の狭小化や骨硬化像も確認することが出来ます。

※骨嚢胞:関節液が骨に侵入し骨が溶けている状態

膝蓋骨の上方変位を認める場合は大腿四頭筋の過活動などが示唆されます。

大腿骨自体の変形は前額面上では見えなかった部分が、側面像では確認することが出来るようになります。

大腿骨の変形は著しい関節可動域制限を伴うことが多いので、確認しておきましょう。

膝蓋骨軸射像(スカイライン像)

膝蓋骨軸射像(スカイライン像)は膝関節を約45°屈曲させた肢位で、足部から見上げたように撮影します。

膝蓋骨軸射像では特に膝蓋骨外側や大腿骨内外側顆に骨棘軟骨下骨硬化関節裂隙の狭小化膝蓋骨の変位を確認することが出来ます。

膝蓋大腿関節面の画面上の変化を認めた場合、軟骨面の欠損や膝蓋骨周囲組織の線維化による引っ掛かりから膝蓋骨の滑動性の異常が考えられます。

画像所見から考えるリスク

荷重の有無でアライメントが変化する場合

立位(荷重下)・臥位(非荷重下)の画像がある場合、両者の画像の違いを確認しておきます。

アライメントが変化する場合は、歩行時の側方同様や徒手で膝関節の側方動揺を認めることが多いです。

膝関節に伸展制限がある場合は、不安定性がなくても側副靭帯が緩んでしまい、ストレステストで不安定性を感じます。

狭小化・重度の変形がある場合

関節裂隙の狭小化がある症例は十字靭帯側副靭帯の緊張が低下しているため、関節運動時には正常な関節包内運動をイメージして動かす必要があります。

重度の変形がある場合は、変形に反応するように脛骨の彎曲足部の回内変形を伴うことがあります。

上記は同部位で疼痛を生じる場合があり、変形による脚長差を出現する可能性があるため注意が必要です。

参考書籍

今回は下の書籍を参考に変形性膝関節症の見方をお伝えしました。

変形性関節症だけでなく、人工関節や骨折などの運動器全体の画像の見方を丁寧に書いてあります。

運動器の画像の見方が分からない新人理学療法士には特に一度読んで欲しい書籍です。

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