【住宅環境コーディネーター2級を目指す人向け】浴室環境について

理学療法士が住宅環境コーディネーター2級を取るために勉強した内容をまとめていきます。【2021年】

住宅環境コーディネーターの2級の資格所得を目指す人には参考にして下さい。

ここは【入浴行為】についてまとめていきます。

浴室の出入り

戸の形状

浴室の戸:内開き(洗面・脱衣室側に水滴がたれないように)
戸の種類引き戸(開閉が楽) ※ガラス戸のように割れて危険な材料は使用しない。ガラス戸を使用している場合は、強化ガラスポリカ―ボネイトアクリル系の半透明な板に変更します。
     折れ戸(少ないスペースで開閉できる) ※高齢者や障碍者には開閉動作が困難な場合がある

開口幅員

浴室の開口幅員は通常600mm程度が多いですが、介助や車椅子を使用している場合には狭いです。

開口有効幅員が1000mm以上得ると介助や車椅子を使用している場合も出入りが容易となります。

開口有効幅員が1000mm以上得るために3枚引き戸などを利用します。

出入り口の段差解消

一般に浴室の出入り口は湯水が洗い場床面から洗面・脱衣所に流れ出ないように100~150mm程度の段差があります。

車椅子を利用している場合や段差により転倒リスクが伴う場合に、段差を解消し洗い場と洗面・脱衣所の床が同一面になるように工事します。

※歩行の場合:段差20mm以下   車椅子:段差5mm以下

洗い場のかさ上げ工事に伴うグレーチングの設置

洗い場と洗面・脱衣所との床面を同じ高さにするために、出入り口の洗い場側や開口部下枠に排水溝を設けて、その上にグレーチングを敷設する方法があります。

※グレーチングの種類は以下の通りになります。

湯水が浴室の外に出ないようにする補助的な排水溝で、一方の浴室内の主排水は湯水が出入り口とは反対側に流れるように水勾配をとります。

グレーチングの形状は下図のような【細いパイプ】又は【T型バー】を排水溝【長手方向に平行】に組み合わせた形状を選択します。

形状の種類としてパンチングは荷重に弱いので基本的には避けておきます。

T型バー・長手方向に平行

 

短手方向に平行

 

パンチング型

洗い場床面へのすのこの設置

すのこは工事を必要とせず、【簡易的に出入り口の段差を解消】することが出来ます。

すのこには木製・樹脂製などの素材を使用することで滑りにくいものや、クッション材で仕上げたものもあります。

すのこ設置の際の注意点
1.清掃・日干しなどのメンテナンスが行いやすいように、【すのこ掛け部分】を作成し【小割り】にして取り外しを容易にしておきます。
2.敷き詰めたときに、がたつかないように【高さの微調整】を行う必要があります。必要ならば、すのこの脚部に緩衝材としてゴムをつけることも検討します。
3.【浴槽への出入り動作】や【水栓金具の使用が困難】にならないか、あらかじめ検討しておきます。

 

浴室内の移動

スペース

歩行だけでなく、入浴動作全体が自立している場合は間1200mm×奥行1600mm(壁芯-芯距離で間口1365mm×奥行き1820mm)程度の通常の浴室スペースがあれば入浴動作が可能です。

※高齢者等配慮対策等級の5・4級では内法寸法で【短辺1400mm以上】+【面積2.5m²】以上が必要

 

介助を想定

1人介助:間口1600mm×奥行き1600mm(壁芯-芯距離で間口1820mm×奥行き1820mm)程度必要
2人介助:間口1600mm×奥行き2100mm(壁芯-芯距離で間口1820mm×奥行き2275mm)程度必要

車椅子移動を考慮

浴室の外まで車椅子を利用している例

屋内移動に車椅子を使用している場合は、介助が必要な場合と同様のスペース(間口1600mm×奥行き1600mm)程度を確保します。

※車椅子で浴室内に入る場合は出入り口の間口を広くしておきます。

 

座位移動の場合

浴室内を座位で移動する場合は、間口1600mm×奥行き1600mm(壁芯-芯で間口1820mm×奥行き1820)程度のスペースを確保します。

※移乗台や洗体台などを使用している場合は入浴動作に影響するためのスペースを検討しておきます。

 

座位移動では褥瘡予防を考慮し、浴室床面に座ることは避けずれにくい浴室用マットを敷き詰めます。

浴室の手すり

【浴室内の手すりの役目】
1.戸の開閉
2.出入り口の段差昇降
3.洗い場の移動
4.洗い場の立ち上がり
5.浴槽への出入り(立位・座位)
6.入浴姿勢の保持
7.浴槽内の立ち座り

※その他の福祉用具とも組み合わせて安全な入浴が行えるように配慮します。

浴槽への出入り動作

高齢者や障碍者の場合、床が濡れている風呂場は滑ってしまい転倒りすくが高い場所です。

特に浴槽を立ったまま跨ごうとすることは転倒リスクが高いので、座って跨ぐことを提案することが多くあります。

浴槽を座位で跨ぐ場合、座位位置は大きく3つに分かれます。
1.浴槽上の場合
基本的にバスボードを使用します。この方法は間口1200mm×奥行き1600mm程度の狭い浴室でスペースを補うために行います。

 

2.浴槽の長辺方向の場合
浴槽の長辺方向に座位位置を確保すると最も安定した動作を行うことが出来ると言われています。和洋折衷式浴槽を入れる場合、間口160mm×奥行き1600mm程度のスペースが必要になります。

 

3.洗い場の場合
座位位置の確保が可能な浴室スペースの場合、移乗台を洗い場側の浴槽縁横に置いて腰をかけます。しかし、浴槽底面に足が届きにくくなるので入浴用の椅子と兼用する場合が多いです。

浴槽設置の高さ

座位で浴槽へ出入りする・立位で跨いで出入りする場合:浴槽縁高さを400mm程度に設置し、浴槽はこの高さになるように埋め込みます。
屋内移動車椅子・入浴のみ座位移動の場合:洗面・脱衣室で車椅子から床面に降りるか、車椅子座面の高さに揃えた移乗台や洗い場床面に移乗し、浴槽まで移動します。
※洗面・脱衣室で車椅子から降りる場合は、動作能力の制限があるので、洗面・脱衣のスペースを確保する必要があります。
※移乗台を使用する場合は洗い場床面をかさ上げしたり、洗い場内に移乗台を置いて高さを揃える必要があるので家族の入浴に影響するので了承を得ます。

その他

浴槽のタイプと寸法

障碍者・高齢者に適している浴槽のタイプは和洋折衷型です。
外形寸法:長さ―1100~1300mm、横幅ー700~800mm、深さー500~550mm程度が使用しやすいとされています。(足先が壁に届くことが重要)

照明・色彩

浴室や洗面・脱衣室についてJISの照度は100ルクス程度とし、床・壁・浴槽などの色彩やコントラストははっきり区別がつきやすいようにしておきます。(同じような色ではつまづく危険あり)

 

換気と暖房

居室と浴室との温度差がないように暖房設備を設置し、入浴前に浴室を暖めておきます。

浴室内の暖房や換気、洗濯乾燥機能を備えた浴室用暖房乾燥機や、浴室内の暖気を逃さずに換気出来る熱交換型換気扇などを用います。