リハビリを行っていく上で部分的な評価だけでなく、理学療法以外でも全体的な評価は欠かせません。
全体的な評価の1つとして血液データの解釈は欠かせません!
ここではまずCK(クレアチンキナーゼ)の解釈についてお伝えしていきます。
CK(クレアチンキナーゼ)
CK(クレアチンキナーゼ)は骨格筋や心筋・平滑筋などの筋肉や脳に多量に存在する酵素です。
筋細胞内のエネルギー代謝に重要な役割を果たしています。
筋肉に障害があるとCKが血液中に出現して高値となり、中でも代表的な筋肉の病気である急性心筋梗塞や
筋ジストロフィーで著しく上昇します。
筋肉の病気が特定できない場合は、甲状腺の病気も考えられ、甲状腺機能低下症では総コレステロール・AST・LDH等と上昇します。
また、血中CK値は激しい運動・肉体疲労・こむら返り・筋肉注射・点滴漏れ・外科的手術など疾患によらない筋組織の損傷でも上昇します。
筋肉運動でCK上昇は、運動量や個人の運動習慣の有無により異なります。
一般的に日常運動を行っている人のCK値は正常範囲より高めであり、運動負荷後の上昇ピークは早く(8~24時間)みられ、その上昇の度合いは小さく、運動習慣のない人は負荷後1~3日でピークを示し、その上昇の程度は大きいことが報告されています。
CK(クレアチンキナーゼ)の基準値
CK(クレアチンキナーゼ)が高値の時
症状 | 筋肉痛または無症状 |
病態 | 骨格筋または心筋の障害(壊死)にともない、筋細胞内の成分が血中に流出することによりCKが上昇する |
原因・影響因子 | 筋疾患(皮膚筋炎・多発性筋炎・筋ジストロフィー) 横紋筋融解症 甲状腺機能低下症 筋肉の圧迫・打撲・再濁流障害 急性心筋梗塞 |
CKが高値の場合、過度の運動の有無(筋肉痛の有無)だけでなく、薬剤性横紋筋融解症(主に脂質異常に対するスタチン製剤)が原因の場合もあるため、内服状況を確認します。
手術後の筋内血流への再濁流障害や筋自体の圧迫などで生じるコンパートメント症候群ではCKが著しく上昇します。
各種原因によるCK上昇がピークアウトするまではリハ介入の可否や医師に相談します。
リハプログラム
リハビリが禁忌となるような基準は明確には無く、病態(急激なCK上昇あるいは慢性的なCK高値)によって検討する必要があります。
胸痛などの症状や新規発症が疑われるような急激なCK値の上昇時にリハを一時中止することがあります。
その他の注意点
CKは一般的な血液検査に含まれているので確認しやすいです。急激な上昇を認める場合は、Drと相談しながら追加検査を確認していきます。
CKは骨格筋量に比例するので健常高齢者では低値となることもあるが、特に留意点はありません。
参考書籍
血液検査の数値を把握しておくことで、より詳しくリハビリのリスクを把握したり、リハビリプログラムの構築の工夫やリハビリの進捗を予測することが出来ます。
血液検査に詳しくなると、周囲の療法士に頼られることが増えると思います!!
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