【リハに役立つ】血液検査の解釈:eGFR(推定糸球体濾過量)

【医療者向け】血液・尿検査

リハビリを行っていく上で部分的な評価だけでなく、理学療法以外でも全体的な評価は欠かせません。

全体的な評価の1つとして血液データの解釈は欠かせません!

ここではまずeGFR(推定糸球体濾過量)の解釈についてお伝えしていきます。

eGFR(推定糸球体濾過量)

クレアチニンやイヌリンといった物質がある一定時間の尿の中にどれくらい排泄され、どのくらい血液中に残っているのかを測定して、濾過機能を評価するものです。

eGFR(推定糸球体濾過量)の基準値

 

eGFR(推定糸球体濾過量)が高値の時

症状 多尿
病態 循環血液量・腎血液量が上昇し糸球体濾過量が増加します

筋肉量が増加すれば想定的にCrが上昇します

原因・影響因子  補液

骨格筋量の増加

eGFR(推定糸球体濾過量)は骨格筋量循環血液量が上昇したときに高値を示します。

そのため、四肢周径を測定し骨格筋量をスクリーニングします。

循環血液量に関しては、補液量点滴量に加えて飲水量を確認します。過剰な水分を摂取していた場合には飲水指示を確認し、水分摂取量を具体的に指導します。

検査結果の解釈としての注意点としては、eGFR(推定糸球体濾過量)はCrの値に影響されるためCrの値も同時に確認します。

また、補液や点滴により循環血液量が変化するため、補液前の補液量や点滴量に変化があったのかを確認します。

 

eGFR(推定糸球体濾過量)が低値の時

症状 腎不全症状(乏尿・浮腫・蛋白尿・腹水・高血圧)

心不全症状(心拍出量減少・労作時呼吸困難・頻脈・低血圧・胸水貯留・浮腫・経静脈怒張)

易疲労感

病態 多岐にわたる原因により腎機能が低下し代謝老廃物の排泄、血圧調整、水分、電解質、造血調整が利かなくなり体内の水分バランスが悪くなることでeGFRが低下します

心拍出量の低下にともない腎血液量が低下し水分調整異常が生じます

原因・影響因子 腎不全

心不全

ネフローゼ症候群

腎硬化症

メタボリックシンドローム(高血圧・糖尿病・脂質異常症)

横紋筋融解症

高齢

eGFR(推定糸球体濾過量)が低値の時は心不全を・腎不全きたしている場合があるので、eGFRの値とCr・BNPの上昇などを確認し心不全や腎不全症状を確認します。

過度な運動によりCrが上昇するため、訪問や外来では普段運動していない人が急な運動を行っていないか、長時間の過酷な筋肉の使用を実施したかを確認します。

循環動態の安定を把握するためにでも最低3日間の尿量・体重の推移を確認し、心不全・腎不全所見がないかを四肢の冷感・浮腫の有無で確認します。

eGFR(推定糸球体濾過量)が低値の場合は電解質(Na・K・Cl・HCO₃⁻)も同時に確認します。

外来リハにおいても体重の推移を確認し、食事内容(塩分量)水分量が過多になっていないか聴取します。

 

リハプログラム

eGFR(推定糸球体濾過量)が低値の時は、に注意します。

心不全・腎不全所見・急性心不全・慢性心不全の急性増悪により腎機能障害が進行しeGFRが低下しCrが上昇している場合はリハビリが禁忌、またはDrに確認します。

eGFRの急激な低下とともに蛋白尿が認められた場合、運動療法は禁忌となります。

また、激しい運動によるCrの上昇によってもeGFRは低値を示すため、運動量や負荷量には十分な注意が必要です。

 

その他の注意点

腎不全の1つとして運動後急性腎不全があります。

スポーツリハの分野では運動種目としてトラック競技や短距離を全力疾走した後に多く発症します。

➡運動後1~48時間後(主に3~12時間)に多く発症します。使用した四肢筋ではなく、腎臓からと思われる腰背部痛や悪心・嘔吐を伴うことがあります。微熱やCRP陽性も併発します。

腎臓は安静時の場合は心拍出量の約20%の血系供給を受けていると言われており、運動時には骨格筋・肺・心臓への血液配分率が高まり激しい運動を行っている場合は50~75%も低下もすると考えられています。

eGFR(推定糸球体濾過量)は低下するにつれて死亡、心疾患血管、脳卒中の発症率が増加し、eGFRが15未満の患者では3年以内に末期腎不全になる確率が急激に高くなります。

加齢に伴い腎血流量・糸球体濾過量・尿細管分泌が減少しeGFRは低下します。

代謝性アシドーシス:eGFRが25以下になると代謝性アシドーシスが出現し骨代謝障害・筋肉量減少・栄養不足・腎障害を促進させます。

代謝性アルカローシス:有効循環血液量が低下するとeGFRが低下し、Na⁺・HCO₃⁻が排出されずアルカローシスが進行します。

 

参考書籍

血液検査の数値を把握しておくことで、より詳しくリハビリのリスクを把握したり、リハビリプログラムの構築の工夫リハビリの進捗を予測することが出来ます。

血液検査に詳しくなると、周囲の療法士に頼られることが増えると思います!!

検査項目別・疾患別で記載してあるので、ぜひ参考にしてみて下さい!!

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