【理学療法士が伝える】身体図式と身体イメージ

【医療者向け】脳機能

身体図式と身体イメージ

【定義】
身体図式:自分の身体の姿勢や動きを制御する際にダイナミックに働く無意識のプロセス
身体イメージ:自分自身の身体について意識的にもつ表象

上記が身体図式身体イメージの定義である。

つまり、意識にのぼらないがそこに身体があるというものが身体図式、普段は意識にのぼらないが動いたりなんらかのトリガーや意識経験を通じて立ち上がるプロセスが身体イメージです。

 

上頭頂小葉

頭頂葉の上頭頂小葉(ブロードマン5・7野)は

一次体性感覚野の後方に位置し、一次体性感覚野からの強い投射を受けています。

5野は主に能動的な動きの際に活性化しますが、この領域は前腕と上腕、上肢と体幹、上肢と下肢にまたがる受容野をもつニューロンが非常に多いです。

両側性の受容野をもつニューロンも非常に多く存在し、より高次な感覚情報処理が行われています。

上頭頂小葉領域の特徴は単純な接触・関節運動では反応しません。

しかし、複数の関節の組み合わせである姿勢パターンをとる時のみ反応します。

このニューロンは【関節組み合わせニューロン】、また【関節-皮膚組み合わせニューロン】といいます。

関節組み合わせニューロン】は、手関節屈曲、肘関節屈曲のみでは活動しません。しかし、両者が組み合わさった場合に特異的に活動します。

関節-皮膚組み合わせニューロン】は複数の関節運動の組み合わせに加えて、皮膚刺激を与えるとニューロン活動が高まることを示しています。

上頭頂小葉は皮膚と関節からの感覚情報を処理して、触覚的な空間位置と運動を識別すると同時に身体の姿勢パターンをとらえるといった、自分がどのような姿勢であるかを判断します。

この領域が損傷されると個々の関節の動きは識別できますが、全体としてどういう姿勢の状態かわからないという症状がでます。

下頭頂小葉

ブロードマン39野が角回と呼ばれ、言語や概念・イメージの処理を担当します。

ブロードマン40野が縁上回と呼ばれ、道具の操作の概念が存在します。

上記の領域は象徴的表象も担当します。(下記参照)

下頭頂小葉は視覚情報と体性感覚の両方に反応し異なる感覚の統合を行い(異種感覚統合)、視覚イメージを伴った身体イメージの形成に関係すると言われています。

 

身体表象

身体表象は3つに分かれます。

動作的表象:自己の運動に基づく体性感覚フィードバックによる表象(身体図式)
映像的表象視覚フィードバックによる表象<心的回転(mental rotation)を含んだシュミレーション機能を含んだ概念>
象徴的表象:言語(内言語)などを通じて外界と身体の関係性・因果性を知覚し、推論を持つことができる概念。道具の操作は象徴的な身体表象に基づいたもの

上記3つの身体表象は角回縁上回(下頭頂小葉)で統合されています。

ここまで読んで頂きありがとうございました。