【医療者向け】理学療法士の視点から伝える“痛みの基礎”について

【医療者向け】痛み

痛みとは機能面では筋力低下や関節可動域制限などにつながり、動作面ではADL動作能力などの低下につながります。

痛みとは本来発揮されるべき能力を阻害してしまう可能性があるものであり、患者様が痛みを訴えている場合、

理学療法の治療範囲内であれば痛みを治療してあげるべきだと思っています。

ここではまず痛みを治療する為に、痛みについて基礎的なことをお伝えしていきます。

痛みとは…?

まず、痛みの定義についてお伝えします。

国際疼痛学会(IASP:International Association for the Study of Pain)では、【実質的あるいは潜在的な組織損傷に結びつく、あるいはそのような損傷を表す言葉を使って表現される不快な感覚・情動体験】と定義付けられています。

この定義は、痛みは単に一感覚情報ではなく、情動や認知処理情報を含む多様な情報として体験されるものです。

この定義において注目すべき点は、組織損傷に伴って一般的に生じる正常な痛みの【急性痛(acute pain)】だけでなく、明らかな損傷がなくても生じる痛みの【慢性痛(chronic pain)】の存在をしめしていることです。

痛みとは組織の損傷によって生じますが、組織の損傷を伴わなくても生じるということです。

痛みとは情動・認知的な体験

痛みとは情動・認知的な体験です。

つまり、痛覚痛みは違うものです。

痛覚とは…

疼痛発生部位から直接大脳皮質(感覚野)に伝わる感覚情報の1つです。

痛みとは…

疼痛発生部位から大脳辺縁系(偏桃体・前帯状回・島皮質など)に直接、または大脳皮質を経由して大脳辺縁系(偏桃体・前帯状回・島皮質など)に情報が伝達し、生じる情動です。

痛みとは、個人の主観によって変化します。

例えば…

足の小指をタンスの角にぶつけたとします。

当然、痛いと思います!!

しかし、子供と大人では痛みの感じ方は違います。

子供は痛みで泣くかもしれません、しかし大人は一般的な痛みでは泣くことは無いと思います。

足の小指をぶつけた同じ痛覚は脳に伝わりますが、その痛覚をどうとらえるのかは個人で異なるということです。

痛覚・痛みの発生が理由

痛覚・痛みが生じる根本的な理由は急性痛・慢性痛で考え方が少し異なります。

急性痛の考え方では受容器が反応するか、神経が圧迫などの刺激を受けて生じた活動電位が脳に伝わり脳活動が生じることで痛覚・痛みが発生します。

慢性痛では、受容器の反応や神経の刺激の有無に限らず、脳活動が生じることで痛みが発生します。

痛みに対する治療の基礎的な考え方

痛みを治療する上で基礎的な考え方としては…

1:痛覚を伝える受容器が反応しないようにする

2:神経に不必要な刺激が生じないようにする

3:痛みで活動が生じる脳領域の活動を抑える

特に急性痛では1・2が大切なポイントになってきます。

慢性痛ではがポイントになってきます。

これらの身体的変化を起こす為に、徒手療法・物理療法や運動療法などの理学療法を実施していきます。

患者様が痛みを訴えている際に痛みが生じているメカニズムを評価して論論的に治療を行うことが出来れば、より的を得た治療を行うことが出来るのではないでしょうか?

まとめ・参考書籍

ここまで痛みについて理学療法士の視点から、基礎的なことをお伝えしてきました。

痛みとは単に一感覚情報ではなく、情動や認知処理情報を含む多様な情報として体験されるものです。

情動や認知処理は個人によって異なるため、痛みは各個人の主観で異なるものです。

その為、痛みの感じ方は個人で異なることをしっかり知っておくことが大切です。

痛みを治療する為には基礎的な知識が必要不可欠だと思っています。

痛みに関する詳細な記事は別で作成していきますので、そちらを参考にして下さい。

以下に私が読んでいる参考書籍を載せておきます。

痛みについてより詳しく勉強したい方に向いているのではないかと思います。

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