【リハに役立つ】血液検査の解釈:血糖値

【医療者向け】血液・尿検査

リハビリを行っていく上で部分的な評価だけでなく、理学療法以外でも全体的な評価は欠かせません。

全体的な評価の1つとして血液データの解釈は欠かせません!

ここではまず血糖値の解釈についてお伝えしていきます。

 

血糖値

血液中のグルコースの濃度を血糖値といいます。

糖質の摂取により上昇し、絶食や運動・薬物療法で低下します。

午前4時頃に低下しやすく、就寝中に低血糖になることもあります。

血糖値の基準値

血糖値が高値の時

症状 全身倦怠感
消化器症状
脱水
血圧低下【高血糖浸透圧症候群】
頭痛
痙攣
振戦【糖尿病性ケトアシドーシス】
激しい口渇
多飲
多尿
体重減少
アセトン臭
クスマウル大呼吸
病態 インスリン分泌低下・インスリン感受性の低下などにより、肝臓の糖新生亢進・末梢組織のグルコース利用が低下します
グルカゴン・アドレナリン・下垂体ホルモンは、インスリンの作用を抑制し血糖を上昇させます
高浸透圧性昏睡時には、循環血液量の減少が起こり、グルコースの腎からの排泄障害が起こります
原因・影響因子 【糖尿病ケトアシドーシス】
インスリン注射の中止または減量
インスリン抵抗性増大
感染
心身ストレス
清涼飲料水の多飲
【高血糖高浸透圧症候群】
薬剤(降圧利尿薬・グルココルチコイド・免疫抑制薬)
高カロリー輸液
脱水
急性感染症
火傷
肝障害
腎障害

糖尿病の診断がついているか、糖尿病に対して治療が行われているかを確認します

ここ数日中にインスリン注射の中止または減量がないか確認します

インスリンの注射忘れ、経口血糖降下薬の飲み忘れがないか確認します

※高血糖で脱水に陥る機序

ブドウ糖は身体に必要な栄養分であるため、通常は尿と一緒に排出されず、血液中に戻されます。

しかし、糖尿病で血系中のブドウ糖が多くなりすぎると、腎臓はブドウ糖を多量の水分と一緒に尿として排出するようになります。

その為、高血糖状態では尿の回数が増えて多尿になり、体内の水分量が減る為、脱水状態となります。

※糖尿病性ケトアシドーシス

主にインスリン分泌が廃絶した1型糖尿病の方にみられますが、2型糖尿病の方では清涼飲料水を多量に飲み続けた場合に起こることもあります。

これをペットボトル症候群または清涼飲料水ケトーシスと呼びます。

1型糖尿病患者ではインスリンを中断した時や感染症などにより体調を崩した時に、血糖値が異常に高くなり起こります。

インスリンの著しい低下が、ブドウ糖を利用することが出来なくし、高血糖脱水が持続します。

症状として口渇・多飲・多尿に加えて、倦怠感・悪心・嘔吐などの症状が現れることもあります。

利用できないブドウ糖の代わりにエネルギーとして、脂肪が使われ脂肪の分解が高まります

脂肪は最後にケトン体という物質になり、ケトン体の量が著しく上昇すると血液が酸性にかたむき、ケトアシドーシスという状態になります。

糖尿病性ケトアシドーシスは点滴などで水分を補給することで脱水症状を改善し、インスリンで血糖値を下げる治療を行います。

※高血糖高浸透圧症候群

主に2型糖尿病の高齢の方に多くみられます。

感染症・脳卒中・副腎皮質ステロイド利尿薬・高カロリー輸液などが原因となります。

高齢者では、体内の水分量が成人より少なく、水分を摂る量も少ないことが多いため、脱水状態に陥りやすい傾向があります。

症状として、頭痛・嘔吐・痙攣・ふるえなどが現れます。

高血糖高浸透圧症候群の治療として水分を補給し、脱水症状を改善させ、必要に応じてインスリンで血糖値を下げる治療を行います。

血糖値が低値の時

症状 【交感神経症状】
発汗
不安
動悸
頻脈
手指振戦
顔面蒼白など
【中枢神経症状】
頭痛
眼のかすみ
空腹感
眠気
意識レベル低下
異常行動
痙攣など
病態 インスリンが過剰分泌
空腹時・肝での糖新生が低下
末梢での糖利用が亢進
コルチゾールが不足
原因・影響因子 薬剤(インスリン・スルホニル利尿薬の使用)
食事(時間・炭水化物の摂取量)、絶食
運動
摂食時のインスリン過剰分泌
膵島β細胞腫瘍
インスリンや経口血糖降下薬の開始・増量・過剰投与
アルコール摂取

低血糖が確認されたら、Drの指示に基づいた適切な対処(ブドウ糖の摂取など)を行います。

血糖値が50mg/dL以下でパニックに値となり、意識レベルの低下・異常行動・痙攣などが出現し昏睡に陥る可能性が出てくるため以下を確認します。

インスリン・スルホニル尿素薬など、低血糖を起こしやすい薬剤が使用されているかを確認します。

➡ここ数日中にインスリン注射経口血糖降下薬(特にスルホニル尿素薬)の開始または増量があるかを確認します。

直前の食事内容(炭水化物の量など)と時間を確認します。

 

自己血糖測定が可能な患者の場合は、1日の血糖変動を把握しておきます。

低血糖症状を覚えておき、違和感を感じる時は自覚症状聴取します。

低血糖が起きた際の対処のため、ブドウ糖や飴などを携帯しているかを確認します。

リハプログラム

空腹時血糖250mg/dL以上では運動療法は禁忌となります。

また、糖尿病合併症に関連する疾患・症状(増殖性網膜症による新鮮な眼底出血など)がある場合もリハビリは禁忌となります。

インスリン治療中の患者で、運動前の血糖値が100mg/dL未満の場合には低血糖予防のため吸収のよい炭水化物を捕食することが望ましいです。

Ex.おにぎり1つ

リハビリの際に血糖値が安定しない場合は、運動前から低血糖である可能性がある為、出来る限り直前の血糖値を確認します。

糖尿病患者では、運動中のみでなく運動療法を実施した日の夕方~翌日の夜間にかけて低血糖を起こす可能性がある為、運動後の経過を後日確認します。

運動により糖が骨格筋に取り込まれると、血糖値が低下します。その為、運動中・運動後の低血糖には特に注意が必要であり、自覚症状の有無を聴取する必要があります。

その他の注意点

高齢者の低血糖症状は認知症と間違えられやすいため、大変注意が必要です。

侵襲度の高い手術後高血糖になりやすいです。

参考書籍

血液検査の数値を把握しておくことで、より詳しくリハビリのリスクを把握したり、リハビリプログラムの構築の工夫リハビリの進捗を予測することが出来ます。

血液検査に詳しくなると、周囲の療法士に頼られることが増えると思います!!

検査項目別・疾患別で記載してあるので、ぜひ参考にしてみて下さい!!

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