【PTが伝える!】クモ膜下出血の血液検査の見方のポイントまとめ

【医療者向け】血液・尿検査

理学療法を進めていく中で、理学療法評価以外にも脳画像・血液検査・服薬などの総合的な評価が必要不可欠なのは言うまでもありません!

特に血液検査はリハビリのリスクや負荷量を決定づけたりするなどの大切な評価ポイントになっています。

ここではクモ膜下出血を患った人の血液検査で着目すべきポイントについてお伝えしていきます。

くも膜下出血における検査値の特徴

よく検査される項目と検査値

クモ膜下出血の治療はネッククリッピング術やコイル塞栓術による根治術が実施されます。

クモ膜下出血の周術期は…

・脳血管攣縮
・髄膜炎
・神経原性肺水腫

などが様々な合併症に対して厳重な管理がなされます。

クモ膜下出血後の低Na血症で血漿浸透圧が低い場合、脳浮腫が増強されます。

また、脱水により循環血液量が低下すると脳血管攣縮を悪化させ脳虚血を引き起こす可能性があります。

また、食事できないことや髄液排出による低Alb血症は、脳血管攣縮・頻脈を誘発します。

髄膜炎は腰椎穿刺により脳脊髄液(細胞数・髄液蛋白・髄液糖など)を検査することで診断されます。

神経原性肺水腫に対し、血液ガス分析(PaO₂、PaCO₂、pH、HCO³⁻など)を確認します。

数値の解釈は上表【くも膜下出血における検査値の特徴】を参照して下さい。

薬物療法

 

くも膜下出血に対する薬物療法は主に、抗脳浮腫薬・脳血管攣縮予防薬・抗てんかん薬・抗菌薬です。

くも膜下出血の場合は、特に低Na血症や消化管出血などの合併症に対する血液検査・薬物療法などの管理が重要になっていきます。

リハ中に気を付けるポイント

Na血症

低Na血症(120mEq/L以下)は傾眠頭痛などの症状があり、重度になってくると昏睡痙攣が生じてきます。

Na血症に基づくリハビリ進行基準はありません…

しかし、低Na血症にともなう症状に応じてリハビリプログラムを調整し、意識レベル低下がみられた場合は離床を中断します。

Naが補正され、低Na血症の随伴症状が改善すれば再度リハビリプログラムの修正(上方)を検討します。

 

BUN・Cr

BUNとCrの比率、BUN/Crが10より大きい場合は脱水が示唆されます。

BUN/Crに基づくリハビリ進行基準はありませんが、経時的な変化から改善or悪化傾向を判断しリハビリプログラムを検討します。

脱水が生じている場合は、頻脈血圧低下などの症状も確認することが大切です。

 

「言葉が出にくい」「微妙に左右で力が違う」:軽微な神経症状

Na】のIN/OUTバランスを確認します!!

NaのIN/OUTバランスは医学的に厳重に管理されていますが、病態や治療状況を把握することが大切です。

Na血症に伴う脳血管攣縮による脳虚血意識障害や片麻痺が生じますが、軽度の場合は構音障害失語症状運動麻痺が症状として出ます。

軽微な神経症状であっても、さらに脳血管攣縮による虚血が進行する可能性があるので経過に伴い、構音障害・失語症状・運動麻痺が見られた場合は注意が離床の中断し、床上でリハビリプログラムを再検討することが必要です。

神経症状の固定化、脳血管攣縮期離脱後は離床再開を検討します。

 

「息が苦しい」:呼吸状態の悪化

胸部X線動脈血ガス分析を確認!

胸部X線から肺炎・無気肺・肺水腫などを確認します。

肺炎や無気肺がある場合は体位ドレナージなど呼吸リハを検討する必要があります。

息苦しさがある場合、自覚症状に応じてリハビリプログラムや運動の種類・負荷量を調整します。

SpO₂が低値であっても、座位姿勢を取ることで呼吸状態や息切れを改善させることが期待できる場合は離床を検討します。

神経原性肺水腫などのより離床が困難な場合は、上肢や胸郭の柔軟性低下を予防するために人工呼吸器管理中であっても、上肢帯胸郭のストレッチを行います。

 

「頭が痛い」・「熱っぽい」:髄膜炎

【脳脊髄液・CRP・白血球】を確認!

高熱・意識障害を呈する場合、積極的な運動療法は控えます。

脳脊髄液の検査所見は髄膜炎の重症度を反映しますので、頭痛などの自覚症状と照らし合わせて状態を確認します。

脳脊髄液の検査所見と身体所見などのが改善傾向であれば、離床や運動療法の再開を検討します。

 

参考書籍

血液検査の数値を把握しておくことで、より詳しくリハビリのリスクを把握したり、リハビリプログラムの構築の工夫リハビリの進捗を予測することが出来ます。

血液検査に詳しくなると、周囲の療法士に頼られることが増えると思います!!

検査項目別・疾患別で記載してあるので、ぜひ参考にしてみて下さい!!

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ここまで読んで頂きありがとうございました。