【リハに役立つ!!】脳機能:大脳基底核について

【医療者向け】脳機能

大脳基底核は一次視覚野を除くほぼ全ての大脳皮質から入力を受け、視床を経由してから元の領域へ出力を返しています。

この機能は運動・認知・情動・報酬、さらに行為の選択・適応・学習に重要な役割を果たしています。

【大脳皮質ー大脳基底核のループ】
1.運動経路:運動計画、運動準備・発言・学習、遂行などに関与
2.眼球運動経路:上丘に投射し急速眼球運動に関与
3.辺縁系経路:情動・感情の表出、認知情動の評価、意欲などに関与
4.前頭連合野経路:認知・意志の発動、注意、行動発言などの高次脳機能に関与

大脳皮質ー大脳基底核ループは、それぞれの皮質領域ごとに分離されており、運動・行動といった様々な側面を並列処理することが可能です。

大脳基底核回路

Grillner,2016 Nambu,2011 改変引用

線条体:大脳皮質から興奮性入力を受ける
淡蒼球:外節・内節の2つの核から構成され、それぞれ異なる機能と結合を持つ
黒質:緻密部-ドーパミンニューロンがあり、線条体に投射して大脳基底核の活動を調節する
   網様部-淡蒼球内節とともに大脳基底核の出力を構成
視床下核:淡蒼球外節・大脳基底核から入力を受け、淡蒼球外節と内節・黒質網様部へ興奮性出力を送る

直接路と間接路

直接路

黒質緻密部から投射しているドーパミンはD1受容体を介して直接路を調節しています。

直接路は淡蒼球内節・黒質網様部を経て視床へ出力され、直接路が活性化すると視床へは脱抑制に働き、視床-皮質路が活性化し大脳皮質の活動が促進されます。

 

間接路

ドーパミンはD2受容体を介して間接路を調節しています。

間接路は淡蒼球外節を経て視床下核に出力された後、淡蒼球内節・黒質網様部に出力し、間接路が活性化すると大脳皮質の活動は抑制されます。

ハイパー直接路

ハイパー直接路

ハイパー直接路とは大脳皮質から線条体を介さないで直接視床下核に投射して、淡蒼球内節・黒質網様部に至る興奮性結合経路です。

ハイパー直接路は直接路・間接路より短い時間で淡蒼球内節・黒質緻密部へ伝達し、その出力を増加させ大脳皮質の活動は抑制されます。

しかし、ハイパー直接路の機能的役割は、私の知っている限りでは不明な点が多いのが現状のようです。。(2021年)

脳幹部への出力

淡蒼球内節・黒質網様部は脳幹部への抑制性出力を送っており、大脳基底核はこの経路を介して脳幹・脊髄の運動経路に作用して歩行・姿勢・眼球運動の調節に関与しています。

 

パーキンソン病とその他

大脳基底核の病変として有名なのがパーキンソン病です。

パーキンソン病は黒質緻密部のドーパミンニューロンが変性することで生じます。

【パーキンソン病の4大症状】
1安静時振戦
2固縮
3無動
4姿勢反射障害

パーキンソン病は運動開始困難(無動)、小刻み歩行・前屈み姿勢などの歩行・姿勢異常が生じます。

 

パーキンソン病以外にもハンチントン病(身体の各部位が無秩序に動く)、ジストニア(体幹・四肢をねじるような運動をする)などの不随意運動が生じます。

非運動系の大脳皮質-基底核ループの異常は、認知機能・手続き記憶などの機能障害、うつ病、幻覚などの精神疾患を引き起こすことがあります。

このように大脳基底核は運動機能だけでなく、情動などと行動を結びつける高次機能に関与しており、行動の選択・学習・適応に関与しています。