【リハに役立つ】姿勢制御と随意制御について

【医療者向け】バランス

姿勢制御を行う際に姿勢制御そのものに注意を向けることは、一時的に姿勢制御が能力することに繋がるのでしょうか?

転倒危険性を改善するために、姿勢制御を随意的に制御する訓練は効果があるのでしょうか?

姿勢制御と随意的な制御について解説していきます。

姿勢制御中の身体外部への注意

高齢者は身体機能低下に伴い姿勢制御能力が低下していきます。

また身体機能低下だけでなく、全体に割くことが出来る注意量も減少していくため、身体機能低下した状態で姿勢制御を行うために多くの注意が向くと他に意識を向けることが難しくなります。

通常なら、高齢者において姿勢制御時+他の課題といったデュアルタスク条件下で姿勢制御を行うと、姿勢制御や他の課題が難しくなることが予想され、実際に姿勢制御に大きな違いはなくても姿勢制御に多くの注意が向くことで他の課題の成績が下がることは多くの研究で言われています。

しかし、元々日常生活の中で姿勢制御は意識的に行うものではなく他の目的を行う際に伴うものであり、姿勢制御は自動的・潜在的に行っています。

デュアルタスク条件下で姿勢制御能力が改善傾向を示す報告もあり、適度に外部に注意を逸らしてくれる課題であれば自動・潜在的な姿勢制御が行われやすくなるため、姿勢制御を行う際に好ましい状態になるときもあります。

過度に身体内部に注意を向けて姿勢制御を行おうとすることは、むしろ自動・潜在的要素に意識・随意的要素が加わることで協調性が崩れて姿勢動揺量が増加するかもしれません

身体内部に注意を向けるのではなく、他者の会話など身体外部に注意を向けることで自動的・潜在的に姿勢制御を行うため、より日常生活に近い状態で姿勢制御訓練を行うことが出来るのかもしれません。

メンタルローテーションと姿勢制御

メンタルローテーションとは?

メンタルローテーションとは回転した像からの正立像を内的にイメージする心的活動のことです。

例えば2つの回転が異なった像をみて、2つは同じ形をしているのか出来るだけ早く答えることが求められます。

メンタルローテーション課題を足などの直接身体に関わる問題(以下:例)にすると、脳の運動関連領域の活動がみられます。

メンタルローテーションを足の絵のように立位バランスに大きく関わる部分で行うと、メンタルローテーション能力と立位バランス能力は関連していたと言われています。

若者を対象にした研究では、メンタルローテーションを先に10分行った後では立位姿勢課題時に動揺速度が減少したと言われています。

腎臓や心機能低下により身体に負荷をかけることが出来ない場合にメンタルローテーションを組み合わせた姿勢制御訓練は効率の良い方法なのかもしれません。

しかし、メンタルローテーション課題はある程度の認知的機能が必要であるため、認知症や高次脳機能障害を患っている患者では難しいことが予想されるため、メンタルローテーション課題を行う前に認知機能・高次脳機能を評価しておく必要があります。