リハビリを行っていく上で部分的な評価だけでなく、理学療法以外でも全体的な評価は欠かせません。
全体的な評価の1つとして血液データの解釈は欠かせません!
ここではCRP(C反応性蛋白)の解釈についてお伝えしていきます。
CRP(C反応性蛋白)
体内に炎症が生じたり、組織の一部が壊れたりした場合、血液中に蛋白質の一種であるC-リアクティブ・プロテイン=CRPが現れます。
このCRPは、正常な血液のなかにごくわずかにしかみられないため、炎症の有無を診断する指標とされます。
同様に炎症を認める指標として赤血球沈降速度(ESR)がありますが、CRPは赤沈よりも反応が速く、消失も速いため、急性炎症の場合、炎症の強さと長さを判断するのに最も鋭敏な指標となっています。
CRP(C反応性蛋白)の基準値
CRP(C反応性蛋白)が高値の時
症状 | 炎症所見 炎症以外の疾患に準じた症状 |
病態 | サイトカイン(IL-6など)の増加により肝臓でCRPの合成が亢進されます |
原因・影響因子 | 感染症 リウマチ性疾患 悪性腫瘍 組織障害・壊死(大動脈解離・深部静脈血栓症・急性心筋梗塞・手術後・熱傷後・骨折後) |
感染以外(WBCの上昇がない)でCRPが上昇するのは心不全急性増悪です。
増悪所見(BNP上昇・浮腫・労作時息切れ増悪・低酸素血症)を確認し、症状を認めた場合にはDrにリハビリ介入可否を相談します。
リハビリプログラム
CRPの数値に伴う明確なリハビリ中止基準はありませんが、炎症所見の増悪やCRPが漸増している場合はリハビリ中止となります。
CRPは経時的変化を評価することが重要であり、術後であれば術部の炎症所見と総合的に評価します。
CRP上昇はすべてが細菌感染症ということではなく、組織障害・壊死(急性心筋梗塞・手術など)や激しい運動や精神疾患などでも上昇します。
心不全所見を認める時は、心不全の増悪の可能性が高くリハビリは中止となります。
参考書籍
血液検査の数値を把握しておくことで、より詳しくリハビリのリスクを把握したり、リハビリプログラムの構築の工夫やリハビリの進捗を予測することが出来ます。
血液検査に詳しくなると、周囲の療法士に頼られることが増えると思います!!
検査項目別・疾患別で記載してあるので、ぜひ参考にしてみて下さい!!
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