【リハに役立つ】血液検査の解釈:尿酸(UA)編

【医療者向け】血液・尿検査

リハビリを行っていく上で部分的な評価だけでなく、理学療法以外でも全体的な評価は欠かせません。

全体的な評価の1つとして血液データの解釈は欠かせません!

ここではまず尿酸(UA)の解釈についてお伝えしていきます。

 

尿酸(UA)

尿酸は細胞の核の成分であるプリン体が分解されてできる老廃物です。

プリン体は肉や肉汁、干物、豆類などの食品に多く含まれています。

細胞には常に新陳代謝を繰り返していますから、尿酸も腎臓で尿や便に混ざって常に排出されています。

血液のなかには一定量の尿酸が含まれていますが、尿酸の量が増えすぎてしまうと、余分な尿酸は体内の特定箇所(主に親指の付け根:痛風の原因)に溜まって結晶化してしまいます。

尿酸が増えてしまう原因として、プリン体の材料となる食べ物を取り過ぎている場合、もしくは腎臓の機能が低下している場合が考えられます。

そのため、尿素窒素・尿蛋白などの検査結果をふまえて評価することが大切です。

 

尿酸(UA)の基準値

尿酸(UA)が高値の時

症状 痛風所見(第一中足趾関節・足関節の痛み)
下腹部・腰背部の痛み
病態 高尿酸血症や腎機能低下時にUA排泄低下により痛風が発生することがあります
悪性腫瘍の治療時、腫瘍細胞溶解が起こり、多量の拡散が血中に排出されUAの合成が亢進し高尿酸血症をきたします
原因・影響因子 脱水
高プリン体食摂取
高カロリー食
飲酒
ストレス
腎不全
尿管結石
白血病
悪性リンパ腫

UAが高値の時、基本的には痛風・脱水・腎不全が疑われます。

痛風発作が疑われる場合、腎機能障害や尿管結石の可能性もあるので、尿蛋白尿潜血の値も同時に確認します。

体内の循環血液量が少なくなると相対的にUAが上昇するので、水分摂取量を確認します。

水分摂取量が少なく脱水症状があれば、水分摂取させリハは時間を空けて介入します。

運動療法実施中も血圧変動に注意が必要です。

激しい運動によってもUAが上がるので検査前に激しい運動を行っていないか確認し、同時に腰背部痛嘔気がないかを確認します。

尿酸(UA)が低値の時

症状 肝不全所見(黄疸・腹水)
神経毒性症状(不随意運動、姿勢保持困難、多幸気分、異常行動、せん妄、言語障害)
アルコール中毒様の症状(意識障害、激しい頭痛や嘔吐、運動失調、動悸)
病態 腎機能障害により腎臓でのUA排泄が過剰に進んで血液中のUA値が下がります
原因・影響因子 急性腎不全
腎性低尿酸血症
尿路結石

UAが低値の場合、肝不全・神経毒性・腎不全を疑います。

その他の血液検査の所見や身体所見を評価し、総合的にみていきます。

 

リハプログラム

痛風所見である第一中足趾関節の痛み、足関節の激しい腫脹・熱感・痛風がある場合は非荷重にして下肢の運動も避けます。

肝不全・腎不全所見があれば、主治医に報告し、リハビリは低強度にします。

➡高尿酸血症・低尿酸血症ともに特別な自覚症状がないので他の検査や身体所見を確認します。

嫌気性代謝閾値を超える運動は実施しないように心がけ、主観的にBorgスケール13以内に運動負荷をとどめておきます。

その他の注意点

腎機能低下にともなわない高尿酸血症では、尿酸排泄促進薬が主として用いられます。

その一方で、腎機能低下時には尿酸排泄促進薬により尿酸血症が生成され、腎機能が悪化する可能性があるので、尿酸合成抑制薬が使用されます。

 

 

参考書籍

血液検査の数値を把握しておくことで、より詳しくリハビリのリスクを把握したり、リハビリプログラムの構築の工夫リハビリの進捗を予測することが出来ます。

血液検査に詳しくなると、周囲の療法士に頼られることが増えると思います!!

検査項目別・疾患別で記載してあるので、ぜひ参考にしてみて下さい!!

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