受傷機転
脛腓骨遠位部骨折は、交通事故・スポーツ外傷、転倒・転落などので下腿や足部が固定された状態で、下腿と側部の間に捻転力や回旋力が加わって、脛骨遠位部や足関節の骨折が生じます。
脛骨・腓骨の遠位関節面で、外果・内果・両果・距腿関節の解離を伴う両果・三果骨折に分けられます。
脛腓骨遠位端周囲は靭帯の付着が多い、その周囲の骨折は靭帯損傷が合併していることも少なくありません。
治療法
治療法は骨の転位に合わせて保存療法・手術療法が選択されます。
内固定では鋼線やスクリューを用いて足関節の再建に努めます。
足関節は不適合が1㎜程度であっても後に関節症に移行すると言われており、関節面に整復に不適合が出ていれば荷重痛や跛行で難渋します。
画像の見方
上図では内外果の骨折が生じ、鞍関節の形状が開いて破綻しているため整復固定が必要となります。
脛腓骨ともに関節面を構成するため、術後ではスクリューやプレートを用いて固定され、関節面は整復されています。
リスク管理
脛腓骨遠位端骨折では足関節周囲に付着する筋・人体などの関節構成体の損傷を予測します。
特に距腓靭帯や三角靭帯損傷などは足関節の側方動揺が起こると予想され、免荷時期に不用意な荷重歩行をして転位しないよう厳格な指導も必要です。
免荷を厳守必要がありますが、足部周辺に癒着が起きないように
足趾の屈伸➡足関節底背屈➡足関節内外反運動へと骨癒合に合わせて運動を行います。
また、免荷によりDVTを発症するリスクがある点からも、骨癒合・二次的な組織損傷に注意しながら運動を進めていくことが大切になってきます。
理学療法
免荷状態から骨癒合が完成するまでの間は転位がないように注意し、創部や果部周辺、足趾の筋に癒着が起きないように努めます。
そのためには早期から足趾の屈伸運動を指導し、Drから許可が出れば足関節底背屈可動域運動に努めます。
また、回復が進めば内外反運動も行います。
最終的には歩行・しゃがみこみ・正座・階段降段時でも困らない可動域を獲得し、筋力も蹴り出しが発揮できるように努めます。
靭帯損傷を合併する場合は、エアギプスやスプリントなどの装具を作成して荷重歩行していくことも検討します。
参考書籍
今回は下の書籍を参考大腿骨転子部骨折の画像の見方をお伝えしました。
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