【リハに役立つ!!】橈骨遠位端骨折の画像の見方

【医療者向け】画像

橈骨遠位端骨折は転ぶ際に手をついたり、自転車バイク事故などの衝撃の際に骨折することがほとんどです。

50~70代以降にみられることが多く、特に閉経後の女性では骨粗鬆症により骨がもろくなり小さな外力でも骨折が生じることがあります。

子供では橈骨の手首側の成長なん骨盤のところで骨折が生じます。

重症度分類

橈骨遠位端骨折は上表の古典的分類法では骨片が背側に転位するコーレス骨折掌側転位するスミス骨折遠位骨片が手根骨とともに背側・掌側に転位するバートン骨折といった手に方向により分類されています。

 

治療法

受傷時に転位が少ない場合は保存療法が選択されます。

整復困難・粉砕型の骨折の場合、手術療法が選択されます。

固定方法としてKワイヤーを使用した方法やスクリュー固定ロッキングプレート固定創外固定などがあります。

近年ではプレートをスクリューで固定するロッキングプレートが多く用いられています。

上画像に関する詳細は下記【リスク管理】を参照ください。

画像の見方

手関節の理学療法を行う上で、整復後のアライメントは重症になってきます。

そのため、術後のアライメントを評価することが大切であり、正常値から逸脱すると整復後に再転位するリスクや疼痛や残存することになります。

1.橈骨遠位端長(Radical Length:RL)

2.橈骨遠位端尺側傾斜(Radical Inclination:RI)

3.尺骨プラス変異(Ulnar Plus Variance)

4.手関節側面像における橈骨骨への垂線と橈骨関節面の角度(Volar tilt又はPalmar tilt)

 

一般的には上記4つをアライメント評価において理解しておく必要があります。

 

1.橈骨遠位端長(Radical Length:RL)

橈骨の長軸線を引き、橈骨茎状突起と尺骨頭関節面上に2本の垂線を引きます。(上図

橈骨遠位端長はこの2本の線の距離を表し(上図:間の距離)、正常は9~11mmです。

健側より4mm以上短縮している例では転位の可能性があります。

 

2.橈骨遠位端尺側傾斜(Radical Inclination:RI)

橈骨長軸の垂線と橈骨関節面の傾斜の角度を表します。(右上図:)

正常は13~30°とされ、それよりも低値だと転位の可能性があります。

 

3.尺骨プラス変異(Ulnar Plus Variance)

橈骨遠位端の関節面と尺骨関節面との位置関係を表します。

正常は両者が同じ高さに存在します。

橈骨が短縮し相対的に尺骨が突き上げているように目えますが、尺骨突き上げ症候群などの指標に用いられ、尺骨関節面が高値の場合転位の可能性があります。

 

4.手関節側面像における橈骨骨への垂線と橈骨関節面の角度(Volar tilt又はPalmar tilt)

Volar tiltは側面画像を参考にし、橈骨関節面の線と橈骨長軸に対し引かれた垂線との角度を表します。

正常では7~13°とされ、この角度が低値になると転位の可能性があります。

 

リスク管理

上受傷時の画像では橈骨遠位部の短縮軽度橈屈位に少し転位を認めているコーレス骨折となります。

術後の画像ではロッキングプレートを用いて固定しており、転位が修復され良好なアライメントが得られています。

ロッキングプレートが掌側にあるので掌側に違和感を感じたり、正中神経領域に痺れなどの神経症状が出る可能性もあります。

短縮転位・橈屈転位がある点から筋力に影響が考えられ、長母指伸筋・手関節周囲の筋力低下・関節可動域制限正中神経領域の異常知覚などが考えられます。

 

TFCC損傷

TFCC損傷:下記7つの複合損傷

1.尺骨三角骨靭帯

2.尺骨月状靭帯

3.掌側橈尺靭帯

4.背側橈尺靭帯

5.関節円板

6.尺側側副靱帯

7.三角靭帯

 

理学療法

固定期間中は手指・手関節・肩関節疼痛関節可動域制限が出現しやすいため、筋力・可動域制限に注意します。

術後は術部周辺組織の癒着を最小限に抑え、膨張を軽減させるように努めます。

例えば長時間の下垂位を避けることやバンピング(グー・パーを繰り返す)などの自主トレーニングを指導します。

関節可動域運動だけでなく、手指の腱を意識した握り運動(手指MP・PIP・DIP関節の屈伸運動)橈骨手根関節などのモビライゼーションも必要になってきます。

アライメントが不良な例では、疼痛や腫脹が軽減しない症例も少なくありません。

交代浴などの水治療法や電気刺激療法などの物理療法を併用し、ADLに困らない可動域改善や筋力向上を目指します。

また、骨癒合が得られていない段階では起立時に上肢支持を使わせない方法であったり、重い物を持たないようにするなどの生活指導が必要です。

参考として目標可動域として下記可動域と能力低下がなく不快感が最小であることが望ましいといわれています。

背屈 45°
掌屈 30°
撓屈 15°
尺屈 15°
回内 50°
回外 50°

参考書籍

今回は下の書籍を参考大腿骨転子部骨折の画像の見方をお伝えしました。

下の書籍は運動器画像の見方とリハビリで意識する点などが詳しく書かれておりおススメの書籍です。

運動器の画像の見方が分からない新人理学療法士には特に一度読んで欲しい書籍です。

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