【リハに役立つ】画像所見:上腕骨近位端骨折

【医療者向け】画像

肩関節は関節の中で最も大きな可動域を持つ関節であり、付着している筋などの軟部組織が多く受傷により軟部組織の損傷を伴いやすい骨折です。

上腕骨近位端骨折は若い人ではスポーツや交通事故などの高エネルギー外傷などによって生じ、高齢者では転倒時に手を突くときに生じることが多いです。

上腕骨近位端骨折:受傷機転・重症度分類

80代で骨粗鬆症を伴う高齢女性に多い骨折で、転倒の際に手をついたり、肩の外側から直接転倒したりすることで起こります。

一般的に骨折部位を【解剖頸外科頸大結節小結節】の4つに分け、1㎝以上もしくは45°以上の転位の有無骨片の数を15型に分けたNeer分類(上図)を参考にして下さい。

上腕骨近位端骨折:治療方法

上腕骨近位端骨折のほとんどは外科頸といわれています。

転位が少ない陥入骨折では基本的に保存療法が選択され、転位骨破壊が大きくなれば手術を選択することが多くなります。

上腕骨近位端骨折:画像の見方

上図の上腕骨近位端骨折では受傷時に転位が大きいです。

転位が大きい場合、受傷時に腋窩神経損傷腋窩静脈損傷が起こっていないか、整復固定後・術後にCRPS骨頭壊死のリスク疑いがあるような疼痛の有無を判断するために腫脹皮膚色の変化などを総合的に評価します。

受傷時の転位が大きい場合軟部組織の損傷が考えられ、大結節・小結節には、棘上筋・棘下筋・肩甲下筋などの腱板損傷(ローテーターカフ)が付着しているので損傷が推測できます。

基本的に関節周辺骨折であればその周辺の関節包靭帯損傷も起こり、安静期間と相まって癒着拘縮のリスクが考えられ、治療に難渋することも多くあります。

 

上腕骨近位端骨折:リスク管理

上図では上腕骨外科頸に陥没するような骨折がみられ、骨頭~骨幹部の連続性が断たれています。

短縮転位と上腕骨骨幹部側の内方転位が顕著になっています。

受傷時の状態から骨折部位周辺の軟部組織の損傷(上腕二頭筋・腕橈骨筋・上腕三頭筋など)、小結節に付着する肩甲下筋や筋力低下・癒着が生じる可能性があります。

上図は関節内骨折のため関節包や靭帯損傷にも影響を与えることが考えられ、可動域改善が難渋する傾向であり、重力を利用したコッドマン体操リラクセーションを積極的に行い可動域改善に努めます。

※関節内骨折:関節の内部にまで骨折線が及び、関節表面にずれが生じた骨折

術後画像では整復で固定性が得られた所見が確認できます。

良好な整復が行われていますが、受傷時の転位骨折が大きいことから早期からの回旋ストレスは慎重に行います。

髄内釘の挿入側(骨頭上)には棘上筋や上腕二頭筋などが走行がしているため、挙上運動は疼痛や代償動作が出ない範囲で行っていきます。

上腕骨近位端骨折:理学療法

画像から髄内釘またはプレート・人工骨頭置換術など、どのような方法で固定を行い固定材料を用いているのか確認し、横止めスクリューの位置転位の整復の程度やアライメントの確認をします。

横止めスクリューの位置では術侵襲による軟部組織損傷、また受傷時の転位の位置・大きさによって軟部組織が損傷していることが予想します。

髄内釘固定後のリハビリでは一般に受傷後1週を目安にコッドマン体操から開始します。

2週目より腱板などの軟部組織の損傷を考慮して自動介助運動を行います。

可動域の目標として特に女性では結帯・結髪動作獲得としますが、初期段階で努力的に挙上動作を行いすぎると疼痛が再発しやすくなり、筋緊張亢進につながり、可動域が低下する可能性があるので注意が必要です。

参考書籍

今回は下の書籍を参考大腿骨転子部骨折の画像の見方をお伝えしました。

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