【リハに役立つ!!】鎖骨骨折の画像の見方

【医療者向け】画像

鎖骨骨折は比較的よくみられる骨折であり大人の骨折の2~4%、肩関節周辺骨折の35%という報告があります。

30歳以下で1つのピークがあり、中央の骨幹部骨折が多く、性差では男性に多いです。

高齢者で小さなピークがあり、骨粗鬆症に基因することが多く。、内側または外側1/3骨折が多いです。

受傷機転・分類

鎖骨骨折は肩を強く打ちつけたり、スポーツ現場などで介達外力が加わったりした際に受傷します。

骨折の分類ではAllman分類があります。

Allman分類

Allman分類は一般に鎖骨骨折部が内側1/3・鎖骨中央1/3・烏口鎖骨靭帯1/3より遠位に分類されます。

その頻度は内側:2~3%、中央:69~82%、遠位:21~28%と言われています。

鎖骨中央の骨折が圧倒的に多いですが、中央骨折で周辺の靭帯や筋の走行から近位側で上方転位が多くなり、肩よりの遠位骨片は下方にズレます。

鎖骨の正常の形が変形し、さらに両骨片が重なり合って短縮すると、肩幅が狭くなり、骨折部が皮下出血に腫れ・痛みが生じ、上肢を動かすと痛みが強くなります。

治療法

治療は一般的には保存療法が選択されます。特に小児では保存療法が原則です。患児を椅子に座らせて、出来るだけ胸を反らせて、重なり合って短縮した骨片を整復します。

そうすることで強勢的に肩甲帯後退位を保持し、鎖骨の短縮を防ぐ目的で8字包帯固定方クラビクルバンド装具を装着することが一般的です。

固定期間は乳幼児で2~3週間、小中学生で4~6週間、成人で1~2カ月が一般的です。

しかし、成人では骨折部の短縮や粉砕が強いと骨が癒合せず、偽関節で痛みや不安定感を生じたり、機能障害・運動制限が生じるおそれがあります。

遠位端骨折や粉砕骨折例で転位があれば手術療法が選択され、プレートロッキングプレート・鋼線・髄内釘などの固定が行われます。

 

画像の見方

鎖骨骨折では左右の骨折の高さや長さ・カーブに左右差があるのか、骨折の突出の状態を確認します。

下図は鎖骨中央部の骨折ですが、短縮転位を大きく認め、手術療法が行われています。

術後の画像では転位していた骨片もプレートとスクリューにて整復固定されていますが、転位を予防するために多くのスクリューが使用されています。

チェックリスト
周辺軟部組織の損傷 骨片のある骨折のため、固定性はやや不安定と考えます。
僧帽筋・鎖骨下筋・大胸筋・胸鎖乳突筋にも影響があります。
整復法 プレートによる骨接合術と7本のスクリュー、骨片固定用のスクリュー1本を使用しています。
理学療法 1週三角巾固定の後、コッドマン運動から鎖骨回旋を防ぐために、肩関節90°挙上までで制御を行い、プッシュアップなどの上肢荷重や側臥位は控えるよう指導します。医師の許可に従って90°以上の挙上運動も追加していきます。

画像から考えるリスク

鎖骨中央の骨折と骨片があるため、中枢側は上後方末梢側は下方に転位しやすくなります。

しかし、内固定をしていることで肩をすくむ動作頸部の回旋は疼痛のない範囲で可能になります。

肩関節の挙上は安静期間を待ってから行わないと鎖骨に回旋力がかかるため注意が必要となります。

固定性は得られたものの、術前は短縮転位であったこともあり、側臥位は術部に荷重がかかるため避けた方がよく、上肢のプッシュアップも鎖骨にストレスがかかるため、骨癒合を確認してから行うようにします。

理学療法

まずは術後1週より関節可動域制限予防を目的にコッドマン体操から開始し、2週より自動介助運動が行われるのが一般的です。

肩関節90°以上挙上を行う際に、鎖骨の回旋が生じるため転移のリスクと注意が必要です。

そのため、肩関節90°以上の挙上時期は医師と相談したうえで進めるようにします。

また遠位端の骨折では、円錐靭帯・菱形靭帯・烏口鎖骨靭帯などの損傷も合併していることがあるので挙上運動時にクリック感・クリック音・違和感が生じていないか確認し、可動域運動を行います。

ここまで読んで頂きありがとうございました。