【リハに役立つ】血液検査の解釈:BUN(尿素窒素)編

【医療者向け】血液・尿検査

リハビリを行っていく上で部分的な評価だけでなく、理学療法以外でも全体的な評価は欠かせません。

全体的な評価の1つとして血液データの解釈は欠かせません!

ここではまず尿素窒素(BUN)の解釈についてお伝えしていきます。

血液検査:尿素窒素(BUN)

体内のたんぱく質を分解するとアンモニアが生じますが、このアンモニアは人体に有害であるため肝臓で尿素に分解されます。

この血液中の尿素窒素を測定し、肝機能・腎機能の状態を調べる検査です。

血液検査:尿素窒素(BUN)の基準値

 

血液検査:尿素窒素(BUN)が高値の時

症状 脱水症状(めまい・頭痛・悪心・痙攣・意識障害)
出血症状(手足の点状出血・あおあざ・皮下出血・鼻出血・歯肉出血・血痰・喀血・タール便)
浮腫
食欲不振
倦怠感
病態 心不全や腎不全などによる脱水で循環血液量・腎血液量が減少し糸球体で濾過される血漿も減少し、尿素が血中に蓄積されBUNが上昇する
原因・影響因子 脱水(水分摂取量の不足・嘔吐・発熱・多量発汗・多尿)
消化管出血
甲状腺機能亢進症
ステロイド服用
蛋白質過剰摂取
血小板機能障害、凝固機能障害、炎症傾向
アミノ酸輸液、Alb輸液、筋肉捻挫、火傷、癌

BUNが高値である場合水分摂取量などを把握し脱水症状が無いか確認します。

脱水がある場合は体動により血圧が低下することもあります。

➡リハビリ中に細目なバイタル測定を行いながら、体動時に血圧低下を認める場合はリハビリを中止するか負荷量を調整する必要があります。

そして体動時の血圧の変化をDr又はNsに報告します。

また、BUNが高値である場合には出血傾向がないか確認します。

出血傾向が疑われた場合は、点状出血紫斑・歯肉出血がないか確認します。

その後、凝固・線溶スクリーニングとしてAPTT・PT-INR・FDPなどの検査値を確認します。

(APTT・PT-INR:高値であるほど出血傾向、FDP:高値であるほど血栓ができやすい)

出血傾向がある場合はリハビリを中止し、Drに報告します。

 

BUNが高値である場合はIN/OUTバランスを確認しフィジカルアセスメントで局所を評価します。

Ex:口腔内乾燥・熱発・手指の冷感、ハンカチハーフサイン

※ハンカチハーフサイン:下図のように前腕または胸骨上の皮膚をつまんで上げて放し、2秒以内に皮膚が元の状態まで戻れば正常、2秒以上かかる場合は脱水を疑います。

 

血液検査:尿素窒素(BUN)が低値の時

症状 肝不全所見(黄疸・腹水)
神経毒性症状(不随意運動、姿勢保持困難、多幸気分、異常行動、せん妄、言語障害)
易疲労感
出血傾向
病態 重度の肝不全では肝での尿素の合成が低下するためBUNが低値となります。
また、低蛋白血症や蛋白同化ホルモン使用後は低値となります。
妊娠中は腎血流量が増加し、胎児に蛋白源を供給するためのBUNが低値となります。
原因・影響因子 尿崩症
肝不全
栄養不足(低蛋白食)
蛋白同化ホルモン
妊娠

BUNが低値の場合、肝不全が疑われるのでAST・ALT・総ビリルビンを確認し黄疸・腹水がないか評価します。

AST・ALTが共に高値であり、肝不全所見があればリハを中止しすることも検討しDrと相談します。

しかし、ASTやALTは服薬によって高値となることが多く、BUNは食事量によっても左右されるので食事内容・食事摂取量を把握します。

 

リハプログラム

BUN高値もよる高度な脱水、出血傾向はリハビリの禁忌となります。

BUNが高値であり腎機能障害が進んでいる場合、ADL練習に限局するか、運動療法を中止することが望ましいです。

どのようにリハビリを進めるかはDrと相談します。

 

その他の注意点

BUNは腎前性の腎障害の影響を受けやすく、BUNのみで腎機能障害を評価することは非常に難しいです。

脱水・出血熱・高蛋白食摂取・蛋白異化亢進をきたす病態、消化管出血など、その原因を探ることが大切であり、総合的に評価しリハビリ介入の可否やプログラム立案をします。

また、BUNは女性において男性より10~20%低い値となる傾向があるので男女差を考慮します。

BUNは食事や運動の影響を受けるが加齢にともない老人特有の脱水症状貧血腎盂・輸尿管などの閉塞で徐々に上昇する。

 

参考書籍

血液検査の数値を把握しておくことで、より詳しくリハビリのリスクを把握したり、リハビリプログラムの構築の工夫リハビリの進捗を予測することが出来ます。

血液検査に詳しくなると、周囲の療法士に頼られることが増えると思います!!

検査項目別・疾患別で記載してあるので、ぜひ参考にしてみて下さい!!

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