温熱療法とストレッチを効果的に組み合わせるポイントまとめ

【医療者向け】ストレッチ

ストレッチは古くから効果が示されており、様々な生理学的効果が期待出来ます。

・軟部組織の伸張性↗

・短縮した軟部組織の改善(組織構造変化)

・疼痛緩和

・血流改善(+パフォーマンス向上)

・筋委縮予防

などなど

ストレッチに関する研究では、最近ではストレッチそのものの効果をより引き出すために、ストレッチに+αを加えることが主流となっています。【ストレッチ+α

+αの中でも温熱療法を併用して加えることで軟部組織の伸張性、短縮した軟部組織の改善(構造変化)をより引き出せることは周知の通りだと思います。

しかし、温熱療法とストレッチを適切に組み合わせないと効果が半減したり、効果が無くなったりします。

温熱療法とストレッチを適切に組み合わせるポイントをお伝えしていきます。

 

温熱療法の選定・行い方ポイント

身体は表層から筋線維までいくつもの層が出来ています。

身体は表層から大きく分けて以下の6つの層に分かれます。

・表皮

・真皮

・皮下組織(主に脂肪)

・浅筋膜

・深筋膜

・筋線維(筋内膜)

 

短縮・伸張性低下を引き起こしている組織が層のどこなのかを見極めて温熱療法を適切に選択する必要があります。

表層の組織を加温するものとしてホットパック・パラフィン浴・遠赤外線などが挙げられます。

深層の組織を加温するものとして極超短波・超短波・近赤外線・超音波などが挙げられます。

※身体は各部位によってそれぞれの層が異なりますので注意が必要です。

温熱療法を行っている最中は組織温度・血流量は上昇します。

しかし、血流量は温熱療法を止めた後も上昇し残存しますが組織温度は温熱療法を止めた直後から低下していきます。

つまり、軟部組織の伸張性を向上をより引き出すためのストレッチは温熱療法を止めた後に行うのではなく、温熱療法と併用して行うことがポイントです。

実際に温熱療法として超音波療法とストレッチに関する研究を紹介します。

1.超音波療法と同時にストレッチを行った

2.超音波療法の直後にストレッチを行った群

上記1・2を比較した研究では超音波療法とストレッチを行った群(1)においてより関節可動域の変化が認められています。

ストレッチに温熱療法を併用する場合は、同時に行うことが最も効率が良いということです。

ー参考文献ー
下腿三頭筋に対するスタティックストレッチと超音波療法の同時施行による効果の検討
平賀 篤・髙木 峰子・隆島 研吾・鶴見 隆正 理学療法学34(4):505-510 2019

温熱療法と組み合わせる適切なストレッチ方法は持続?間欠?

軟部組織の伸張性向上を目的としたストレッチをより効果的に行う場合、温熱療法を併用することは周知の通りです。

より効果的に行う為に温熱療法の選択(組織部位の対象に合わせて)と同時に行うことが良いといことをお伝えしてきましたが、次にストレッチの方法について言及していきます。

ストレッチは以下のような様々な種類があります。

・スタティックストレッチ

・ダイナミックストレッチ

・ダイレクトストレッチ

・ホールドリラックス

etc

また、その中でもスタティックストレッチは持続的に行ったり、間欠的に行ったりする方法があります。

例えば阻血による筋緊張低下や軟部組織の伸長性向上を図りたい場合は、間欠的に行う方が成果が良かったという報告があります。

しかし、神経学的に筋緊張亢進が生じている場合は持続的なストレッチを行う方がより効果が期待できると思われます。

しかし、温熱療法を同時に併用したストレッチでは間欠的に行うよりも持続的に行う方がより軟部組織の伸張性向上による関節可動域拡大を図ることが出来るという報告があります。

つまり軟部組織の伸張性向上による関節可動域拡大を図りたい場合は以下のようになるということです。

・ストレッチのみ:持続的ストレッチ<間欠的ストレッチ
・ストレッチ+温熱療法:持続的ストレッチ>間欠的ストレッチ

まとめ

ストレッチをより効果的に行う為には温熱療法を組み合わせることは有名ですが、組み合わせる際にはいくつか注意するべき点があります。

・対象部位を見極めて施行する温熱療法を選択する

・温熱療法とストレッチを同時に行う

・温熱療法とストレッチを組み合わせる場合は持続的なストレッチが効果的

上記3点を今回お伝えさせて頂きました。

しかし、対人に関するストレッチの研究は対象者の条件を揃えることが難しく同じ疾患であってもその可動域制限の根本的な原因や程度は個々によって異なります。

そのため、同じ研究で疾患が同じであっても効果に差が生じます。

今回紹介した記事や様々な文献・論文・書籍などを完全に鵜呑みにすることは止めておいた方が賢明といえます。

大切なのは目の前の患者が関節可動域制限を起こしている場合、その根本的な原因を解剖学・生理学的に評価し、本記事や文献などは参考程度にし、治療・再評価を行うことです。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

ここまで読んで頂きありがとうございました。