【リハに役立つ】腸脛靭帯について必要な知識まとめ

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腸脛靭帯は大腿外側で筋膜が肥厚した索状で腱のような組織で、多くの組織と連続性をもちます。(以下を参照)

【腸脛靭帯】
開始:腸骨稜
終着:ガーディー結節
付着部位:大腿筋膜張筋・大殿筋(一部)・中殿筋(一部)・外側筋間中隔を介して大腿骨・外側広筋・大腿骨外側上顆・膝蓋骨

 

腸脛靭帯は上記のように多くの筋・骨と連続性をもつため、連続する筋の収縮や伸張・関節角度の変化などによって張力は変化することはイメージしやすいかと思われます。

臨床的に腸脛靭帯の過度な張力が痛みなどの機能障害を引き起こし、問題となることが多くあります。

腸脛靭帯の張力増加による影響についてまずはお伝えしていきます。

腸脛靭帯尾張力増加による影響

腸脛靭帯炎

腸脛靭帯の張力増加により引き起こされる代表的な疾患として【腸脛靭帯炎】が挙げられます。

腸脛靭帯炎は腸脛靭帯は大腿骨外側上顆と線維により付着しており、主に腸脛靭帯が大腿骨外側上顆との間にある血管や神経を含む脂肪組織を圧迫することで炎症が生じると考えられるようになっています。

また、膝関節の内反変形により外側にある腸脛靭帯が伸張されることで、大腿骨外側上顆との間で強い圧迫が強いられるので、内反変形を呈する変形性膝関節症では腸脛靭帯炎を呈する徴候が多くの患者でみられたとされています。

また、腸脛靭帯炎以外にも腸脛靭帯の張力変化が脛骨や膝蓋骨の運動にも影響を与えることが分かっています。

 

腸脛靭帯の張力が脛骨へ及ぼす影響

腸脛靭帯の張力が増すと脛骨は外旋外反(外旋>外反)し、後方に変位します。

脛骨を後方へ偏位させる力は前十字靭帯と同じであり、腸脛靭帯は前十字靭帯と機能的に協調関係にあると考えられます。

実際に前十字靭帯の損傷経験のある人は、無い人と比べて腸脛靭帯の張力が高い傾向であったとされています。

 

腸脛靭帯の張力が膝蓋骨へ及ぼす影響

腸脛靭帯の張力増加は膝蓋骨の外側変位外側傾斜外旋が増加させ、わずかに膝関節を屈曲させると言われています。

膝蓋骨を外側へ変位させるということは、膝蓋骨の外側方向への安定性は低下するということですので臨床では注意が必要です。

 

ここまでのまとめ

腸脛靭帯の張力は脛骨・膝蓋骨に影響を与えるため、脛骨大腿関節・膝蓋大腿関節において障害を有する場合、腸脛靭帯に一度着目してみるといいかもしれません。

腸脛靭帯の受動的なシステム

腸脛靭帯には収縮機能はないので、張力が増加する要因としては連続する筋の収縮や関節角度の変化などが考えられます。

腸脛靭帯は以下の姿勢と外的負荷で最も硬度が硬くなるとされています。

姿勢:股関節内転位
外的負荷:股関節・膝関節内転モーメントが大きくなる姿勢

つまり、股関節内転位で股関節がさらに内転する方向に外的負荷がかかっている状態です。

股関節内転位は腸脛靭帯を伸張し、さらに股関節を内転させようとする外的負荷に抵抗するために外側にある腸脛靭帯の張力がさらに強くなります。

下肢外側における支持機構の能動的システム(中殿筋・大殿筋・大腿筋膜張筋などの筋組織)受動的システム(腸脛靭帯)では、関節角度変化により受動的システムが機能しやすい状態である場合、受動的システムが優先される傾向があるようです。

軽度の股関節内転位の保持は外側にある腸脛靭帯の張力を増加させることで、股関節中間位よりも股関節外転筋群の活動は減少しているため、無意識の内に片側の股関節を内転位にし姿勢を保っているかもしれません。

しかし、このような腸脛靭帯のような受動的システムに依存した姿勢を続けると、前述した腸脛靭帯炎が生じる危険もあるので注意は必要かもしれません。

また、股関節内転位だけでなく腸脛靭帯の走行部位から股関節伸展位・外旋位でも張力は増加します。

立位姿勢時に大腿外側・ガーディー結節部位などに疼痛を訴えられた際は、立位姿勢と下肢アライメントに一度着目し、場合によっては姿勢指導を行う必要性が出てきます。

ここまで読んで頂きありがとうございました。