【リハに役立つ!】下肢の運動連鎖についてまとめ

【医療者向け】基礎

人の身体は多くの関節で構成されており、ある関節の動きが隣接する関節を通じて、多少なりとも全身に波及することは周知の通りであり、人の動きは多くの関節の動きを伴う。

人の動きというものは基本的に多くの関節運動を伴うことから、1つの関節のアライメント異常が隣接する関節のアライメント異常、また多かれ少なかれ全身の身体に影響を及ぼします

運動連鎖の知識を身に着けることは、アライメント異常や動作の関節において重要であり、リハビリの治療考察において妥当性のある治療を行うために必要不可欠です。

ここでは運動連鎖について解説していきます。

 

足部~脛骨の関係

荷重下状態で足部の回内は、脛骨の前方・内側・内旋を伴います。

反対に荷重下状態で足部回外は、脛骨の後方・外側・外旋を伴います。

足部の回内外は脛骨・腓骨と共に関節を構成する距骨の可動性(距骨下関節の可動性)によって、脛骨に与える影響は異なります。

入谷 誠, 他:足部の内, 外反が下肢アライメントに及ぼす影響. 理学療法学 16:323―330, 1989

上記の研究では傾斜版を用いて足部の内反・外反誘導による下肢アライメントの変化について分析しています。

上記の研究では脛骨の外側の傾斜は傾斜無し・足部回外傾斜条件に比べて足部回内条件で最も小さくなるとされており、外側誘導時の距骨下関節の角度が小さいほど、脛骨の角度が大きいことなどが報告されています。

つまり、距骨下関節の可動性が小さいほど、足部のアライメントはより近位の脛骨のアライメントに影響を与えやすいということです。

これは個々の関節可動性が隣接する身体部位に与える効果の大小に影響を与えることを示唆していると言えます。

 

骨盤・足部からの運動連鎖

骨盤からの運動連鎖

骨盤の前方回旋は大腿の前方・内側・内旋へ変位し、下腿は前方・内側・内旋へ変位し、距骨下関節は回内させます。

骨盤の後方回旋は大腿の後方・外側・外旋へ変位し、下腿は後方・外側・外旋へ変位し、距骨下関節は回内させます。

 

足部からの運動連鎖

足部と脛骨アライメントには強固な関係があると言われています。

運動連鎖は骨盤・足部から生じる下肢の運動連鎖は、骨盤・大腿・下腿・距骨下関節で下行性運動連鎖と同じであり、股関節・膝関節のみ下行性運動連鎖と異なります。

khamis S, et al:Effect of feet hyperpronation on pelvic alignment in a standing position Gait Posture  25:127-134, 2007

上記の研究では両脚立位にて10°・15°・20°の傾斜版を用いて両側の足部を同時に回内させ、脛骨・股関節および骨盤のアライメントに与える影響を調べています。

足部回内が増加するに従って、脛骨・股関節の内旋が内旋し、傾斜版のない条件と比べて20°傾斜版の条件下では、脛骨内旋は約5°・股関節内旋は約3°の変化となっており、運動の起点(足部)から遠くなるほど運動連鎖の影響が小さくなっています。

上行性ー下降性運動連鎖で股・膝関節のアライメントが異なる理由

運動連鎖により関節の肢位が変化することは、運動の起点から離れる程その影響が小さくなることが、上行性運動連鎖と下降性運動連鎖で股関節・膝関節のアライメントが異なる理由に繋がります。

距骨下関節・骨盤の前方回旋はそれぞれ、大腿・下腿の内旋を伴いますが、大腿・下腿の内旋位の変化量は、運動起点が骨盤・足部のどちらかによって決まります。

運動起点が足部の場合は、内旋の変化量は大腿<下腿、運動起点が骨盤の場合は、内旋の変化量は大腿>下腿となります。

内旋の変位が大腿<下腿の場合は膝関節が内旋位となり、大腿>下腿の膝関節は外旋位となります。

 

下肢の運動連鎖の脊柱への影響は?

骨盤~足部の運動連鎖についてお伝えしてきました。

足部から生じる上行性運動連鎖について骨盤まで触れてきましたが、脊柱への影響についてはどうでしょうか?

Duval K,et al:The mechanical relattionship between the rearfoot, pelvis and low back Giat Posture  32:637-640, 2010

上記の研究では、足部の内反・外反・内転・外転、踵の高さなどの条件を様々に変化させて脊柱までのアライメント変化を調べましたが、骨盤までのアライメント変化は認めるものの、それ以上の脊柱のアライメントは測定機器で捉えるほどの変化を認めていません。

なので、足部による脊柱のアライメント変化は生じているかもしれませんが、それは非常に微細な変化でありほぼ無視出来るのではないかと思われます。

 

ここまで読んで頂きありがとうございました。