【理学療法士が伝える】血液データの解釈とは(WBC:白血球)

【医療者向け】血液・尿検査

リハビリを行っていく上で部分的な評価だけでなく、理学療法以外でも全体的な評価は欠かせません。

全体的な評価の1つとして血液データの解釈は欠かせません!

ここではまず白血球(WBC)の解釈についてお伝えしていきます。

白血球(WBC)とは

●白血球分画の基準値

好中球 40~70%
リンパ球 20~50%
好酸球 1~5%
好塩基球 0~1%
単球 0~10%

血液は白血球・赤血球・血小板で構成されていますが、白血球とは最近・ウイルスなどの病原菌から身体を守る働きをするため、主に感染の指標となります。

上表のように白血球は好中球とリンパ球で占められています。

上図は白血球に対する割合(%)が表示されるので、実際の変動は個数を白血球数から計算したうえで確認する必要があります。

白血球の基準値

白血球(WBC)が高値のとき

症状 ・炎症所見(発赤・腫脹・局所の発熱・局所の機能障害・疼痛)
病態 ・骨髄などで好中球の産生が亢進し、血管内へ移動します
原因・影響因子 ・病原微生物の感染
・身体的ストレス(喫煙や急性出血、術による出血)
・精神的ストレス(不安など)
・白血病
・ステロイドの全身投与
・組織壊死(手術後の急性期、急性心筋梗塞、肺塞栓、壊疽など)

WBCの上昇を認める時は、手術部位・疼痛部位などの炎症所見(発赤・腫脹・発熱・疼痛)を確認します。

WBCはストレスによっても影響するため、炎症所見や発熱を認めない場合は生活状況や心境について問診を行う。

特に入院患者の場合は入院生活によるストレスなどにより精神的なストレスがかかっていることが多いです。

白血球(WBC)WBCが低値のとき

症状 易感染に伴い症状
病態 ・骨髄での好中球の産生低下により白血球が減少する
・末梢で好中球の破壊や利用亢進により白血球が減少する
原因・影響因子 ・化学療法や放射線治療中の骨髄抑制
・NSAIDs、甲状腺治療薬などの各種薬物治療
・重症感染症(敗血症など)
・SLE(全身性エリテマトーデス)

易感染であり、マスク着用などの感染防止策について確認をしっかり行う。

・咳嗽や熱発などの感冒症状の出現に注意する

・SLEでは自己免疫によるリンパ球破壊、末期がん、うっ血性心不全ではリンパ球の低下を認める。

リハビリプログラム

発熱・炎症の程度によってはリハビリが禁忌となりますので、発熱・炎症を過度に認める場合は医師に必ず確認を取ります。

がんリハの場合は、WBC3000/uL以下・Hb7.5g/dL以下・血小板2.0×10⁴/uL以下のうちいずれか1つでも当てはまるとリハビリが中止となることがあります。

感染していると交感神経活動が活性化し安静時から心拍数の増加などの所見を認める為、運動療法前後でバイタルの変動には注意します。

がんリハでは好中球500/uL以下で感染リスクが高くなるため、クリーンルーム管理となります。

その他の注意点

NSAIDsなどの薬物によりWBCが低値を示すこともあるので、服用している薬を確認し、薬による副作用であれば薬の変更経過と採血結果を確認します。

感染によるものであればWBCとCRPが上昇しますが、WBCは上昇せずCRPのみ上昇している場合は急性心不全などの炎症性疾患の可能性がある為、CRPと一緒に評価を行うことが大切です。

小児ではWBCは感染の指標として感度・特異度は高くないので、検査結果をそのまま捉えることは危険となります。

高齢者では感染時のWBC上昇が加齢により鈍いことがあるので、高齢者においても検査結果をそのまま捉えることは危険です。

参考書籍

血液検査の数値を把握しておくことで、より詳しくリハビリのリスクを把握したり、リハビリプログラムの構築の工夫リハビリの進捗を予測することが出来ます。

血液検査に詳しくなると、周囲の療法士に頼られることが増えると思います!!

検査項目別・疾患別で記載してあるので、ぜひ参考にしてみて下さい!!

 

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