【住宅環境コーディネーター2級を目指す人向け】段差解消と床材

理学療法士が住宅環境コーディネーター2級を取るために勉強した内容をまとめていきます。【2021年】

住宅環境コーディネーターの2級の資格所得を目指す人には参考にして下さい。

ここは【段差解消と床材の選択】についてまとめていきます。

住宅の屋内・屋外における段差

段差の種類

屋内の段差:玄関の上がり框和室~洋室間の床段差、建具の敷居段差、浴室の出入り口段差など

屋外の段差:地面と1階居室との床段差、門扉周辺部分っから玄関までのアプローチ部分の段差、玄関戸の下枠(くつずり)段差など

※くつずり:開き戸の戸枠下部分

段差の理由

1.地面~1階居室との床段差は、建築基準法の制約によって起こる。(通気と地面からの湿気を防止するために1階居室の木造床は、直下の地面から450㎜以上高くする)

2.和室(畳上)と洋室(フローリング)との厚さが異なるため、一般的に和室は洋室よりも10㎜~40㎜程度高くなっている。

3.洋室の建具の下枠は室内外の床仕上げ材の違いを建築的に納めることやすきま風防止のため

4.浴室の出入り口の段差は、洗面・脱衣場に湯水が流れ出ないようにするため

 

段差の解消

屋外との段差解消

屋内外の段差のを無くすために地盤面(G.L.)から1階床面レベル(1.F.L)の高低差の解消をどのように振り分けるを以下のように全体的に考える必要があります

1.屋外アプローチの階段・スロープ

2.上がり框の段差

 

Ⅰ.スロープで対応
玄関での段差解消が困難な場合は、スロープで寝室の掃き出し窓などへ直接アプローチする方法をとります。
また、現在は歩行可能であっても進行性疾患のように将来的に車椅子の使用が予想される場合は、スロープの設置が出来るスペースを確保しておく必要があります。
スロープを設置する場合の勾配は1/12~1/15を目安とし、住宅の出入り口と道路に接する箇所には車椅子を停止させるための1.5m四方以上の水平面スペースを設けます
なお、地面・建物に固定したスロープは介護保険制度による住宅改修項目に該当します。
Ⅱ.段差解消機での対応
敷地の高低差が大きく、スロープや階段での昇降が困難な場合は段差解消機などの福祉用具を用いる方法を検討します。
据え置き式は介護保険の貸与品目に含まれます。
Ⅲ.段差を残す場合
スロープを設置出来ない場合は階段を設けます。スムーズに昇降出来る蹴り上げ110~160㎜程度・踏面300~330㎜程度が望ましいとされており、加えて手すりなどを設置し使用者の安全を考慮します。
Ⅳ.床下の防湿土間コンクリートを敷設
地面と木造床の居室の床段差はべた基礎床下部分に防湿土間コンクリートを敷設することで、1階の床下レベルを下げることが出来ます。
しかし、木造床面を下げると通風が悪くなり、白あり被害がある地域では好ましくありません
また、給排水管など床下のメンテナンス上の問題が生じやすいので、配管経路や方法などについて事前に十分検討します。
※べた基礎:建物の底面全体にコンクリートを敷設する方法

和洋室の床段差解消

新築の場合:洋室の床束長さを調節する
住宅改造での段差解消:すりつけ板で解消するのが簡便な方法です。両端の端部で躓かないように設置し、上面は滑り止め仕上げにします。
他に段差を解消する改造には「床束の長さ調整合板などのかさ上げ」方法などがあります。
※すりつけ板:床にある段差を解消するためスロープのように斜めに渡すくさび形状の板のことであり、ミニスロープともいう。

 

建具の敷居段差

段差を完全に解消することは困難だが、2000年4月施行の「住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品確法)」第3条1項の規定による「日本住宅性能表示基準」では5mm以下の段差は許容されています。

そのため建築主には、5mm以下の段差は「段差無し」の意味合いであることについて了承を得ておく必要があります。

床段差と敷居の段差解消

床仕上げの「見切り」に用いられる洋室~洋室間の段差や洋室~廊下の敷居段差・洗面・脱衣室と廊下間の異なった床仕上げ材を分けるための建具敷居は床面レベルまで敷居を埋め込むか、仕上げの境目を「への字プレート」で押さえて解消します。

※建具(たてぐ):建築物の開口部に設けられる開閉機能を持つ仕切り

 

引き戸の敷居周辺の段差解消

床面にフラットレールを取り付ける方法と「V溝レール」を埋め込む方法があります。

フラットレールを取り付ける場合:平坦な板状のフラットレールを固定します。

V溝レールを埋め込む場合:床仕上げ材との接合面に隙間が空かないように事前に引き戸の下枠にV溝レールが埋め込まれている部材を使用すると良いとされています。

将来レールが浮いてこないように床下地にしっかり固定し、段差が残る場合はすりつけ板で対応します。

 

その他の段差解消

スキップフロアなどの段差は住宅の構造により、階段昇降機や段差解消機・ホームエレベーターの使用を検討します。

※スキップフロア:1階・2階といったはっきりとした階構成とは別に一部の部屋の床面レベルが他の床面レベルと大きく異なる住宅部分をいいます。傾斜地に建てられた住宅などでよく見かけられます。

床材の選択

床材に問題があると歩行や車椅子移動がスムーズに行えないだけでなく、歩行では足を滑らせて転倒する原因となるので配慮が必要です。

1床材は滑りにくいものを選びます。乾いた状態で滑りにくいだけでなく水に濡れた時にも足が滑らない床材を選択しておくことが大切です。
2床材は300mm×300mm以上のサンプルを最も滑りやすい状態で実際に試してみます。
屋内でははだし・スリッパ・靴下など普段の生活の近く滑りやすい状態で確認し、屋外は普段使用している最も滑りやすい靴を履いて状態を確認します。
3水回りの塩化ビニルシート表面の強さや厚さ・クッション性に注意します。
     発泡系塩化ビニルシートクッション性はよいが、表面仕上げが薄いと耐久性が劣ります
4車椅子使用の場合は車輪がねじれた時の衝撃で床面に付くゴム跡が目立ちにくい色の素材を選びます。
屋外で使用する車椅子を屋内でも使用する場合は、車輪についた砂ぼこりで下地の合板を傷めないように仕上げ材の厚さが1mm以上ある床材を選択します。

高齢者等への配慮に関する評価基準