【リハに役立つ!】座位姿勢時における安定化機構について

【医療者向け】座位

仕事などで日中のほとんどの時間を座位で過ごしている方は決して少なくありません。

わずかな姿勢異常・姿勢の不安定が長時間に及ぶと身体に大きな負荷を強いることになります。

この記事では座位姿勢における安定化についてお伝えしていきます。

3つの座位姿勢

図1

 

図2

 

図3

 

●骨盤を前傾し腰椎も前彎するが胸椎は緩やかに後彎とした姿勢(図1:腰椎骨盤直立座位

●骨盤を後傾させ胸椎と腰椎も後彎位とした姿勢(図2:前かがみ姿勢

●骨盤を前傾させ腰椎・胸椎も前彎とした姿勢(図3:胸椎直立座位

上記3つの姿勢において体幹筋の活動を比較してみると…

・腰椎骨盤直立座位:腰部多裂筋内腹斜筋の活動が高まりやすい

・前屈み姿勢:全ての筋において活動が低下

・胸椎直立座位:脊柱起立筋の活動が高まりやすい

上記3つの座位姿勢では、前屈み姿勢では全ての筋活動が低下していることから、能動的システム(筋収縮)によりも受動的システム(靭帯・関節包・椎間板・伸張された筋など)を中心に座位姿勢を安定させているので、受動的システムの負担が大きくなります。

腰椎骨盤直立座位では、ローカル筋を中心とした能動的システムと受動的システムにより座位姿勢を安定させており、胸椎直立座位では脊柱起立筋を中心に能動的システム・受動的システムにより座位姿勢を安定させていると言えます。

腰椎骨盤直立座位と胸椎直立座位のどちらが良いとははっきりとは言えず、むしろ姿勢を変化させることにより特定の筋を優位に働かせることで長時間の座位姿勢を獲得しているとも言えます。

座位姿勢の安定化において骨盤後傾位では受動的システムの依存が強く、骨盤後傾位から前傾させていくことで受動的システムに能動的システムが加わっていきます。

足を組んだ座位

Snijders CJ, et al:Why leg crossing?  The influence of common postures on abdominal muscle activity.Spine  20:1989-1993, 1995

上記研究では通常の座位姿勢と足を組んだ座位姿勢の両者で体幹筋群の筋活動を比較しており、足を組んだ姿勢では内腹斜筋外腹斜筋の活動が有意に低下するとされています。(腹直筋は変化なし)

腹斜筋群は仙腸関節を安定化させる作用がありますが、足を組むと股関節は屈曲・内転位となり、大殿筋・梨状筋・後仙腸関節が伸張位となることで仙腸関節の安定を強くすることになり、腹斜筋群の筋活動が有意に低下していると考えられます。

(梨状筋の伸長率は立位と比較し、普通の座位では7.8%・足を組んだ座位では21.4%伸張されています)

まとめ

座位1つとってみ様々な姿勢があり、長時間の座位姿勢を保持するためには1つの姿勢だけでは特定の筋疲労や関節周囲組織へのストレスが集中してしまうことになります。

一般的に良い姿勢と呼ばれるものでも同じ姿勢を取り続けるのではなく、他の座位姿勢を悪い姿勢とみなすものではなく姿勢を切り替えることで快適な長時間の座位姿勢を保持することができるのではないでしょうか?

ここまで読んで頂きありがとうございました。