理学療法士が住宅環境コーディネーター2級を取るために勉強した内容をまとめていきます。【2021年】
住宅環境コーディネーターの2級の資格所得を目指す人には参考にして下さい。
ここは【高齢者の心理と精神特性】についてまとめていきます。
老化と寿命
人は生まれてから成長・成熟し、30歳以降から神経機能・心機能・呼吸機能・腎機能・運動機能などの機能が低下し始め、心身機能が衰退していきます。
普遍性:老化・死は避けられない
内在性:内的因子として体内にプログラムされている
進行性:月日と共に進行する不可逆的な変化する
退行性:老化により様々な身体変化は有害に作用する
高齢者の喪失体験
高齢者は4つの喪失体験をすると言われています。
2.身体機能の喪失
3.社会的役割の喪失
4.配偶者や兄弟・友人の喪失
しかし、人生の要所で心理的危機を乗り越え、一段ずつ課題を解決して人格的活力を育んできた人は喪失感を克服し、死の訪れさえも自然のなりゆきとして受容することが出来る英知を持っていると考えられます。
高齢者の危機感を和らげる解決策
1.定年に対する危機感
仕事以外の活動や趣味などに興味を持ち、仕事以外に居場所を作り満足感を得られるように支援します。
2.体力の衰えや病気に対する危機感
身体の不具合ばかりに注意が向かないように、今できることや新しく出来るようになったことに注意を向けたり、新たな人間関係の構築や精神的活動などにより幸せを得られるように支援します。
3.死の予測に対する危機感
いつでも成功への道のりを歩み続けることによって満足感を得られるようにし、残される家族への気がかりを取り除くように支援していきます。
加齢に伴う記憶と知能の変化
記憶の仕組みと加齢による変化
関心のある情報を保持(登録)
↓
繰り返し思い出して長期記憶へ転送
↓
思い出して想起(検索)
↓
加齢による2つの知能変化
流動性知能
新しい環境や変化する課題に適応する能力(ピークは20代であり、以降は徐々に低下していく)
結晶性知能
経験や学習による蓄積された知識の積み重ね(60歳頃まで上昇し、生活や努力である程度生涯維持も可能)
健忘と認知症
健忘とは記憶障害のうち陳述記憶が障害された状態を指し、他の認知機能は比較的保持されている状態です。
※陳述記憶:言語で表現できる記憶であり、エピソード記憶や意味記憶が当てはまります。お箸やペンの使い方といった言語で表現されない記憶(身体が覚えている記憶)とは異なります。
認知症とは新しい・過去の記憶や体験を忘れてしまい、時間や場所に関する判断力に支障をきたします。
健忘と認知症の違い
項目 | 健忘 | 中等度以上の認知症 |
新しい記憶 | 苦手 | 苦手 |
物忘れ状態 | 部分的 | ほぼ全て忘れる |
日常の判断力 | 支障なし | 支障あり |
人格 | 保たれる | 崩れる |
訂正可能か | 可能 | 不可能なことが多い |